防犯性が向上する車両は今後増える見込みだ
防犯性が向上する車両は今後増える見込みだ
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 近年、不特定多数を狙った事件が多発している。特に逃げ場のない列車内での無差別襲撃事件は社会に大きな衝撃を与えた。容疑者はいずれも特急や快速急行など、停車駅の少ない列車を狙い、凶行に及んだ。その対策の1つが車両内に設けた防犯カメラの活用だ。6月24日、国土交通省は学識経験者や鉄道事業者らで構成された有識者会議を開催。防犯カメラの設置義務化を大都市圏に絞る方向で検討していることが明らかになった。

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「列車用防犯カメラの設置については、全国一律とせず、例えば、東京、大阪、名古屋の3大都市圏のような、犯罪が発生した場合に影響が大きいエリアなどに範囲を狭める検討をしています」

 国土交通省鉄道局技術企画課の担当者はAERAdot.の取材にそう話し、防犯カメラの設置について続けた。

「設置義務については、列車の新造時、および大規模改修時に行う、ということで議論を整理しています。既存車両への防犯カメラの設置については『努力を求める』といった通達等を出すことはあるかもしれませんが、義務としては求めません」

AERAdot.編集部が主な鉄道事業者に昨年末、アンケートを実施した
AERAdot.編集部が主な鉄道事業者に昨年末、アンケートを実施した

■防犯カメラの設置はJR東日本がけん引

 国交省が防犯カメラの設置について、本腰を入れるようになったのは、昨年10月31日夜に発生した京王線内刺傷事件によってだ。

 京王線国領駅に緊急停車した特急列車。しかし、車両のドアは閉じたまま。乗客たちは窓のすき間から次々と脱出し、懸命にホームドアを乗り越えて逃げていく――そんな異様な光景がSNSで拡散、その後、テレビで繰り返し映し出された。

 危機感をあらわにした国交省は12月14日、凶行への防御策として防犯カメラの設置基準などを議題に有識者会議の初会合を開いた。

 それに合わせてAERAdot.は昨年末、関東と関西の鉄道会社に取材すると、すでに首都圏の各社では防犯カメラの設置がかなり進んでいることがわかった。

 その一つ、JR東日本は「お客様へのサービスの向上を目的として、首都圏を走行する列車には100%防犯カメラがついています」と言う。

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