そんな中ではあるが、6月21日付の『ニューヨーク・ポスト』のウェブサイトは、エンゼルスをプレーオフ進出に向け“潜伏”しているチームであると紹介。投手として好調を維持している大谷に加え、パトリック・サンドバル、マイケル・ロレンゼン、ノア・シンダーガードら先発陣がある程度揃ってることや、手首の手術により今季絶望となったアンソニー・レンドン三塁手が抜けても、大谷や大黒柱のマイク・トラウト外野手らがいる打線が強力であることを理由に挙げている。現在圏内から5.5ゲーム差となっているワイルドカード争いを勝ち抜く可能性があるチームだと評している。
このように、エンゼルスにチャンスがないとは言えない。とはいえ、今シーズン勝負するのか、来季以降に備えるかを決断しなければならない8月2日のトレード期限が迫ってきている。今の状況を考えると「売り手」になるのか、「買い手」になるのか非常に微妙な状況ではあるが、いずれにせよ大なり小なり動くのは間違いないだろう。
ちなみに昨年は前半戦の目安となるオールスターを45勝44敗とほぼ5割で迎えたが、トレード期限前には先発ローテーションの一角だった左腕アンドリュー・ヒーニーと救援左腕のトニー・ワトソンを放出した一方で、目立った補強はなし。未来へ向けて大舵を切るようなことはなかったが、「売り手」に回ったと言える。
今季も昨シーズンと同じようなシチュエーションであり、また主力の一人として期待されたレンドンが今季絶望ということからも、積極的に「買い手」となるような動きはないと思われる。
各メディアを見ると、エンゼルスのトレード期限までの動きとしてカギとなりそうな選手は有望株のジョー・アデル外野手だ。現在23歳のアデルはメジャー全体でも注目のプロスペクトとして期待されているが、まだブレイクの兆しはない。今季もここまで25試合の出場で打率.250、3本塁打、10打点と際立った成績を残しておらず、大谷の試合を見ている方ならご存知だろうが、まずい守備も目立っている。