初回から大手建設会社の入札談合で立ち入り検査あり、地方都市のホテルでウェディング費用のカルテル問題ありとネタも盛りだくさん。
ただね、ひとつ気になるのは原作(新川帆立の小説)の作者が、前ドラマ「元彼の遺言状」と同じってとこ。綾瀬はるかに鎌倉殿こと大泉洋を並べて、何ひとつ面白いことがなかったあの「元彼」。
遺言状のタイトル回収は2話で終わってしまい、ジェットコースターに乗ったつもりがなぜかずっと平坦(へいたん)な道走ってますよ? だった「元彼」。
思わず今回の公式HPを見れば、「スリリングに、ドラマチックに…知的好奇心を満たす全く新しい作品!」という謳い文句。これ「おとり広告」じゃないですよね?
そこでこのドラマ、以前やはり公取委がクローズアップされたあの問題を取り上げたらどうか。「退所した元メンバーをテレビ番組に出演させないよう圧力をかけた場合は、独占禁止法にふれる恐れがある」と、公取委がジャニーズ事務所に注意したあの問題。
元メンバー役で稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾をそのまま出演させたら、本当に公正な取引をしているテレビ局だって、どっきんちゃんも太鼓判を押してくれるはず。
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2022年7月29日号