コンサルが見たBさんとCさんの決定的な差
BさんとCさんの差は、「課の業績を出しているのだから文句ないだろう」というBさんと、課の業務にとどまらず、部や部門としてどのような営業をすべきか、サービス開発をすべき事柄についての働きかけや提言があったCさんとの間で起きてしまったのだと思われます。
Bさんの課は業績が好調であるがゆえに、自分の課の活動以外への目が行きませんでした。当然、他のチームや部署に自分の方から関わることもありません。
一方、Cさんは自分の課が苦労しているために、同じ悩みを持つ他の課長とどうすればうまくいくかについて、情報交換や相談を頻繁に行っていました。さらに、関連する商品企画部署や購買、経理などに少しでも営業がやりやすくなるための業務フローの変更相談などを行っていたのです。
結果としてBさんよりもCさんのほうが、事業がよりよくなるためのさまざまな働きかけを周囲に行っており、それは同時にCさんの存在を関係各署のキーパーソンに印象付けることにもなっていたのです。
Cさんは無意識的に、自分がなんとか良い成果を上げたいと必死でやっていたことですが、これこそが、投資科目人材としての動きなのです。
販売管理費人材に起きていること
販売管理費人材は、これまで、その人が担当チームでしっかりとバリュー=成果・価値を出している限りにおいて、会社や組織から求められる人材でした。
しかし、昨今は原価人材のみならず、販売管理費人材の業務についても、機械化・自動化の波が押し寄せているのです。
付加価値系の業務だからといって安穏としていると、営業支援システムやマーケティングオートメーション、あるいは会計やHRのTechサービスに業務が代替されてしまっているということが、気がついたらある日起こっていた、ということが頻発しています。
つまり、多くの企業でボリュームゾーンだった中間層=販売管理費人材が減っているわけです。
人材は、原価人材(アウトソーシング企業、派遣、アルバイト・パート雇用を含む)と「投資科目人材」「事業利益連動型報酬人材」の2極に分かれつつあります。この中抜き現象はこれからも加速すると私は見ています。
会社から求め続けられる人材の特徴
組織をリードすることを期待された投資科目人材には、その心配はありません。
中核マネジメントの役割と相応の報酬、また、その人自身の成長期待と機会がより多く与えられます。
そういう意味でも、販売管理費人材にとどまらず、業務を設計しリードする側の投資科目人材にまで自身を昇華させた方が良い。
肩書うんぬんは置いておいても、特にミドルやシニア世代の人たちがこれから会社組織の中で役割や責任を持たせてもらう、組織を託してもらい、会社から求められ続ける人材であるためには、投資科目人材となることが必須であるということを理解していただくといいでしょう。