林:なんで最初から制作で受けなかったんですか。
佐久間:僕、大学で広告サークルに入ったんですけど、日曜劇場「マイファミリー」のプロデューサーやってる渡辺良介とか、あと、そんなに仲いいわけじゃなかったですけど、映画監督の西川美和とか、SEKAI NO OWARIとかドリカムとかのコンサートのプロデューサーをやってる日テレの依田謙一とかがいて。いかにもこういう人がクリエーターになるんだろうなという人に、東京に出てきてすぐの18歳のときに出会って自信喪失したんです。「俺はこういう人たちをサポートする仕事だったらできるかな」と思って、映像をつくるとかいう気持ちはなかったですね。
林:最初に出会った人が悪かったんですね(笑)。
佐久間:はい。上京して初めて出会った人たちが、日本を代表するプロデューサーとか映画監督でしたからね。僕がようやくADから脱したぐらいのときに、西川さんからデビュー作の試写の招待もらって、「デビュー作だからもしそこまでおもしろくなくても励まそうぜ」みたいな感じで仲間と試写会に行ったら、メチャクチャ傑作だったんで、「俺たちが言うことは何もない」って感じで落ち込んで帰ったという(笑)。
林:そういう人たちが集まってきちゃうんですね。
佐久間:いま思うとそうですね。渡辺良介とは7年ぐらい前に一緒に深夜ドラマをつくったんですけど、ギャラクシー賞をいただきました。
林:ドラマづくりはどうでしたか。
佐久間:楽しかったです。バラエティーとちょっと違う脳ミソを使うんですけど、ドラマでしか描けない感情というものがあるので、今後も挑戦したいなという気持ちはありますね。
林:俳優としても? 「白虎隊」とか。
佐久間:アハハハ。この前、秋元(康)さんに「佐久間は絶対俳優に向いてる」って言われたんで、何とか止めないとって思ってます。秋元さんが冗談で言ったことって、半年後ぐらいに実現するじゃないですか。恐ろしいです(笑)。
(構成/本誌・唐澤俊介 編集協力:一木俊雄)
※週刊朝日 2022年7月29日号より抜粋