「ゴッドタン」(テレビ東京)や「あちこちオードリー」(同)などの人気番組を手がけるテレビプロデューサー・佐久間宣行さん。作家・林真理子さんとの対談では、意外な才能(?)も明かしてくれました。
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林:すごく楽しみにしてました。佐久間さんって、(福島県)いわき市のご出身ですよね? 私、東日本大震災のあと、磐城高校に講演に行ったんです。「なんでこんなオバサンの話を聞かなきゃいけないんだ」みたいな感じで、誰も聞いてなかったですけど(笑)。
佐久間:それ、僕の母校です。でも高校生ってそんなもんですよ(笑)。僕もこのあいだ講演に行ってきました。
林:みんな大喜びだったんじゃないですか。私の姪なんて、佐久間さんのこと、「若い人みんな知ってるよ」って言ってましたよ。
佐久間:いやいや、とんでもない。
林:目をキラキラさせて「質問! プロデューサーになるにはどうしたらいいんですか?」なんて。
佐久間:具体的な質問してくるのは、ほぼ女子生徒でしたね。
林:テレ東(テレビ東京)を変えたと言われている佐久間さんですけど、前はテレ東ってドラマもつくってなかったし……。
佐久間:お笑い系のバラエティーもつくってなかったと思います。
林:どんな番組をやってたんですか。
佐久間:「愛の貧乏脱出大作戦」とか、人情系の番組はたくさんありました。それ以外に、「大食い選手権」みたいなちょっと変わった番組とか、キワモノ系の番組はいくつかあったんですけど、僕が入社したころは、やりたいなとかおもしろいなと思う番組は、「TVチャンピオン」と「愛の貧乏」以外は、ほぼ制作会社がつくってたんです。
林:誰しも「なんで佐久間さん、フジテレビに入らなかったんだろう」って思ってると思う。
佐久間:フジは面接で落ちました。
林:佐久間さんを落としてなかったら、いまフジもここまで元気をなくしてなかったかも……(笑)。
佐久間:僕の記憶だと、4次か5次面接で落ちたんですよ。でも、2次面接で亀山(千広)さん(元フジテレビ社長)に言っていただいた一言で人生変わったというか。それまで事業部門のほうで受けてたんですけど、面接で亀山さんに「君、好きなものの説明がうまいな。そういう人はものがつくれるから、制作のほうがいいよ」って言われて。そこから制作で受けようと思って、間に合ったのがテレビ東京だったんです。