学生には最強の味方
親が相談に乗るべき理由

 しかし、周囲が内定を獲得してから動いても遅いのだ。その時期は既に多くの企業がエントリーを締め切っている。活動時期を逃さず捉え、行動していくことが非常に重要なのだ。

 本稿を執筆するに至った動機は、卒業後の就職希望者に対し、大学側もしっかりサポートしているが、学生の最強の味方である保護者が、大学生の就職状況を把握し的確に相談に乗る存在になれれば、学生も孤独感を払拭できて「就活をしっかり頑張ろう!」というモチベーションアップにつながると感じたからである。

「リスクモンスター(株)第7回『就職したい企業・業種ランキング』調査」によると、就職先を選定する際の意思決定手段について、1位が「親の意見を参考にしながら、自分の意思で決める」と、5位の「親の意見を最重要視して決める」で、最終的な意思決定の際には、43.8%が親の意見を取り入れている結果となっており、多くの親が子どもの就活に関わっているのが分かる。

 私が保護者との関わりで感じたことをまとめてみる。

 大学側が保護者会を開くと3年次学生の保護者の参加が大半で、相談内容は就職活動に関してというのが毎年恒例である。会社を休んで夫婦で遠方から来る保護者も多く、心配しているのがよく分かる。

 保護者が開口一番に言うのが、「ウチの子をいい企業に入れてください」、「公務員にさせてください」の二つである。

「お子さんとは就活について話し合われたのでしょうか」と聴くと、「話そうとすると『分かった、分かった』と逃げてしまうため、話し合いができていません。でも安定したある程度の規模の、いい企業に入ってほしいんです」と。

 そこで「いい企業ってどんな企業ですか?」とさらに聴くと、保護者が就活していた2、30年前から現在も人気企業として上位にランクインしている企業名を出してくる。

 このような保護者はおおよそ高学歴で、バブル時代の超売り手市場で難なく大手企業に入社することができた人が多いと推察する。

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親は何をしなければいけないのか?