既に行われた臨床研究では、2年目まで規則正しく治療を継続した人の80パーセント以上で症状が軽くなり、花粉症治療薬の量や服用期間の軽減に至ったとされています。さらに、スギ花粉症だけでなく、ぜんそくなどのアレルギー反応が出にくくなる傾向があることも明らかになりました。

 治療には数年かかるとされていますが、2014年秋から治療を始めた人へのアンケート結果を見ると、1年未満でも95パーセントの人が効果を実感しています。

 免疫療法は少しずつ体を花粉に慣らしていく治療なので、しっかりとした効果が現れるまでには時間がかかります。しばらくは対症療法と併用して進めることもありますが、対症療法の薬を使わずに花粉シーズンを乗り切ることを目標に、治療していきます。

監修/永倉仁史(ながくら・ひとし)先生
1982年東京慈恵会医科大学卒業。同大学や東京厚生年金病院の耳鼻咽喉科勤務などを経て06年より現職。日本アレルギー学会専門医。花粉情報協会理事。国の花粉症研究にも参加。著書に『スギ花粉症は舌下免疫療法(SLIT)でよくなる!』(現代書林)など。

監修/永倉仁史先生
監修/永倉仁史先生

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