Q:病院ではどんな治療をするの?

 花粉症の治療は、症状を予防・緩和するための対症療法が中心となります。病院では採血してアレルギー検査を行い、原因を特定します。その上で、重症度や症状の出方に合った治療を選択します。治療薬には多くの種類があり、相性や使用感の好みは人により異なるので、使ってみて効果が出なかったり副作用が強かったりした時は医師と相談し、症状を効果的に取り除く選択をしましょう。

 症状が強い場合は、粘膜の一部をレーザーで焼いて症状が起こらなくする手術もあります。ただし、これによりアレルギー体質が根治するわけではないので、いずれ元に戻ります。たび重なる手術は鼻の粘膜を痛めてしまうので、繰り返し行うのは注意が必要です。

 根治療法として、抗原となる花粉エキスを注射や舌下で体内に少量ずつ取り込み、アレルギーが起こらない体質に改善する免疫療法もあります。

Q:舌下免疫療法は効果があるの?

 アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から体内に投与して行う免疫療法(減感作療法)は、唯一、花粉症の根治が見込まれる治療法です。欧州を中心に100年以上前から研究、開発が進められ、注射でアレルゲンを投与する方法は定着しています。しかし注射部位が腫れるなどの問題があり、1990年代からは舌下に投与する方法が開発され、普及してきました。すでに欧州では舌下免疫療法の効果が認められ、ガイドラインも作成されています。

 日本でも、スギ花粉症と診断された12歳以上を対象に、2014年10月から保険適用で舌下免疫療法を受けることができるようになりました。これは、アレルゲンであるスギ花粉のエキスを舌下に少量ずつ投与することで、体が過剰に反応しないように免疫システムを変えていき、花粉症の症状を起こさないようにするものです。具体的には次の方法で服用します。

(1)スギ花粉のエキスを舌下に滴下し、2分間保持してのみ込む(錠剤もあり)

(2)徐々に滴下量を増やしながら、毎日服用する

(3)スギ花粉の飛んでいない、症状がない時期から開始する。最低3年以上、数年間続ける必要がある

(4)少なくとも1カ月に1度受診する

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