2021年不幸続きだったGさん、確定申告でお金は戻るか?
家計改善の目的で定期的に相談に来られている会社員のGさん(44)は、昨年、通勤時に利用していたバイクが盗難に遭い、かつ家族の何人かが体調を崩し、確定申告の対象期間中に高額な医療費がかかるなど、例年になく不幸に見舞われていました。
仕事を休んだこともあり、1年の後半は残業もできず、ボーナスも少なくなり、ふるさと納税は寄付しすぎの状態。何とか少しでも取り戻せないかと確定申告を利用しようと思いついたのです。
通勤で使うバイクは、「雑損控除」の対象になるのではないかと考えました。もし利用できるなら、「(損失額)-(総所得金額等)×10%」もしくは「(損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円」のどちらかを利用することができます。
医療費は1年で10万円以上だが、
保険金が下りたらどうなる?
Gさん一家は昨年、8万円(Gさん本人)+15万円(家族分)=23万円の医療費を自己負担していました。1年間の医療費が10万円を超えているので、「医療費控除」が使えるかもしれません。確定申告をするなら、ふるさと納税も確定申告をする対象となります。雑損控除や医療費控除で、いくらか還付されるといいなと期待しながら、確定申告書に記入を試みたそうです。
医療費控除の計算を始めると、「保険等で補てんされた金額」を記入する欄があります。病気でGさんが入院した際、生命保険から15万円の保険金が下りています。自己負担の23万円から差し引くと、かかった医療費は8万円なので、10万円未満になってしまう、とGさんは考えました。
「どうあがいてもこの状況から変わりようがないので、仕方がなく雑損控除以外はあきらめようと思っている」
こう話すのを聞いて、「Gさんは勘違いをしているのでは?」と気が付きました。