部落差別を題材にした映画「破戒」でも主演に抜擢と、引っ張りだこの俳優・間宮祥太朗さん。そんな間宮さんですが、実は無類の映画好き。映画の可能性の話では、自然と力がこもります。熱い思いがにじみ出す作家・林真理子さんとの対談。お楽しみください。
【写真】間宮祥太朗さんと林真理子さんとのツーショットはこちら
* * *
林:最近の邦画は、漫画が原作の楽しい作品が多いので、こんなに本格的で、しかもこれだけ重たい主題の映画って、ほんとに久しぶりという感じですよね。現代を舞台にしたものでは重たい主題のものもあるけど、明治時代ですからね。こういうものを世に問う映画人の思いを感じました。あとはヒットするのを祈るばかりですけど、これがちゃんとヒットする世の中じゃなきゃダメですよね。
間宮:そうですね。自分は映画が好きでこの業界に入ったんですけど、映画が見る人に与えてくれるものってすごく大きいと思うんですね。たった2時間なんだけど、見る前と見た後では、自分の心の状態が変わっているという経験をたくさんさせてもらってるので、いろんな人に見てもらいたいなと思います。
林:仲間と映画論みたいな話はするんですか。
間宮:いや、あんまりしないです。
林:いまの若い俳優さんって、お酒飲みながら熱く語るってことはないんですか。「映画とは」とか。
間宮:ありますよ、たまには。最近はないですけど、まだぜんぜん仕事がなかった10代のころ、仲野太賀とよく映画館に行ってました。
林:昔、新宿のゴールデン街で、原田芳雄さんとかが熱く映画論を戦わせてた時代があったと聞いてますし、私も六本木のバーで文化人たちが大乱闘になったのを見たことがありますけど、いまも映画の俳優さんたち、そういう熱い血が流れてるんですか。
間宮:血というか、(原田)芳雄さんとかがやってた作品もいろんなものが詰まってるんで、それが自分たちにも響くし、それを受け継ぐというほど大それたことではないですけど、やっぱり日本映画、好きなんで。