林:「トップガン」は別にしても、いま観客動員数ベストテンにあがってくるのは邦画が多いですよね。私が若いころは洋画ばっかり見てましたけど、この邦画の隆盛っていいですよね。
間宮:自分、いま3クール連続でドラマをやっていて、いろんな世代の方が見てくれて、子どもからもメッセージをもらったりするんですけど、その一方で、こういう100年以上前の小説、人間の根底に流れている差別というものを、自分の体を通して作品として世の中に出していけるというのは、タイミングとしてすごくいいなと思います。
林:間宮さんのファンの若い人もいっぱい見に来ると思うけど、「うそ! こんなことがあったの?」と思ったら、ちょっと勉強してほしいですよね。いまわかりやすい本も出てるので、きっかけになればいいですね。
間宮:そうなればいいなと思います。
林:原作を読めとまでは言わないけど。間宮さん、まだ20代でしょう?
間宮:29歳です。
林:この「破戒」の丑松をやれたら、もう何だってできちゃいますね。
間宮:そうですか!?
林:いっぱいオファーも来るだろうし、私もいろんな間宮さんを見たいですよ。昔、森田芳光監督が夏目漱石の『それから』(85年)を撮りましたけど、ああいう明治の男の人の映画もこれからやれますよね。
間宮:この「破戒」もそうですけど、人間の根底にある部分を描いていれば、映画か舞台かの形は問わず、いつの時代でもその物語が持っている魂は伝わるだろうと思いますね。
林:昔、映画を見て「僕も映画に出たい」と思った映画少年の夢が、着実にかなっているわけですよね。
間宮:ほんとにありがたいですね。
林:間宮さんは神奈川ですか?
間宮:出身ですか? 神奈川です。横浜ですね。
林:もともと都会の男の子なんですね。
間宮:シティーボーイってやつです(笑)。
林:きょう初めてお会いしたら、どこからどこまでシティーボーイという感じ。いつもはどんなものをお召しなんですか。
間宮:すごいラフです。ジャケットとか着ないです。衣装以外は。