「以前は新聞社さんが撮影したものをお借りしていたんですが、現在は各球団からお借りすることが多いです。1月には写真のセレクトを終え、2月には入稿をして、3月の開幕に合わせて発売しています」

■累計約2万種類、約18億枚発行

 ところで、73年の発売以来、一体どれだけのカードが作られたのだろう?

「おおよその累計になりますが、21年度までに約2万種類、約18億枚になりますね」

 単純計算で日本国民全員が一人10枚以上持っていることになる。もはや「国民食」と言っても差し支えないのではないか!

「コンビニやスーパーでの購入データを見ると、購入は大人が多いんです。ただ、ラッキーカードの応募者の半分以上は15歳以下。買うのは親かもしれないけど、実際はお子さんが楽しんでいるんですね」

 そして、三井さんはこうしめくくる。

「お子さんが生まれて初めて自分のお小遣いで買うカルビー商品が『プロ野球チップス』だといいなと思っています。そこでうちのポテトチップスを食べることで、大人になっても“あの味を食べたい”と言ってもらえるようにしたい。それが私にとってのやりがいですね」

実にいい言葉だ。


長谷川晶一
1970年5月13日生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務を経て2003年にノンフィクションライターに。05年よりプロ野球12球団すべてのファンクラブに入会し続ける、世界でただひとりの「12球団ファンクラブ評論家(R)」。著書に『プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! 』『いつも、気づけば神宮に東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(以上、集英社)、『詰むや、詰まざるや 森・西武 vs 野村・ヤクルトの2年間』(インプレス)、『虹色球団 日拓ホームフライヤーズの10カ月』(柏書房)、『プロ野球語辞典 令和の怪物現る! 編』(誠文堂新光社)、『プロ野球バカ本』(小社刊)ほか多数。
Twitter @HasegawSh