エルサレムの路面電車は2011年8月にとうとう走り始め、控えめに言ってもこの計画は大成功だと思います。それは単なる交通機関というだけでなく、異なる居住地域で分かれて住んでいた各コミュニティーのユダヤ人、アラブ人、超正統派ユダヤ人、キリスト教徒、観光客などの相互の距離を近づけたのです。

 エルサレムの路面電車は街を南北約14キロにわたって走ります。コロナ禍前はエルサレムの人口100万人のうち、毎日約17万人の乗客が利用していました。4千本の新しい樹木が線路に沿って植えられ、街が緑豊かになりました。路面電車が通過するエルサレムの中心部は、現在車の通行が閉鎖されており、空気を汚染する物質が80%以上も減少しました!

路面電車内では、アラブ系住民とユダヤ教正統派が同乗する。あまり見かけない風景だ(ニシム・オトマズキン提供)
路面電車内では、アラブ系住民とユダヤ教正統派が同乗する。あまり見かけない風景だ(ニシム・オトマズキン提供)

 当初は予想されていなかったけれども、路面電車は都市に住む異なるコミュニティー間の相互作用をもたらしました。例えば、私が路面電車で見た一つに、ユダヤ人の中年女性が、同じ年代のアラブ人女性が持っていた買い物袋の野菜について、どのように料理して食べるかと聞きながら会話が弾んでいる光景がありました。それでも最初は、エルサレムのすべての住民が彼らの家の近くを走る列車の計画に同意したわけではありません。一部の超正統派ユダヤ人の地域では、列車が彼らのコミュニティーに悪い影響をもたらすことを恐れ反対しました。 彼らはデモを組織して時には工事用のトラクターを止めようとしました。

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パレスチナ人も路面電車を使うように