やや専門的になってしまいますが、例えば、足の甲の部分には「中足骨」という骨があります。この中足骨は足裏のアーチ構造を支える「要」となっています。特に親指の中足骨が長いと外反母趾(ぼし)になりやすく、短いとアーチ構造が乱れやすくなる傾向があります。

■40~50代以降の方も注意が必要です。

 加齢に伴う筋肉の衰えや靭帯の緩みなどが原因となり、足の骨格がゆがみ、足裏のアーチ構造が崩れる状態。いわゆる「アーチ・エイジング」(加齢によるアーチ構造の崩れ)が生じやすいからです。

 いったん、足裏のアーチ構造が崩れると活動限界値も下がってしまうので、運動不足に拍車をかけてしまい、「負のスパイラル」に陥ってしまいがちです。

 実際の治療ですが、足の不調を訴える患者さんの多くは「痛み」を訴えています。

 なので、まずは痛み止めの薬の処方や注射などで「痛み」を取る処置が必要にはなるのですが、ここで大きな問題があります。それだけでは済まないことが多いのです。

 というのも、私のクリニックの患者さんは、既にいくつかの医療機関を受診しており、それでも改善されない方が多いからです。

 なので、単に痛み止めの湿布や飲み薬を処方するだけでは患者さんの悩みは解消しません。

 そこで、診察では「根本的な原因」を突き止める必要があります。

 そもそも足に「痛み」がある場合、何かしらの「負荷」が一定期間以上、長くかかり続けた結果、発症するケースが多いからです。

 現時点で痛みが強い部分であっても、当初の原因とは異なるケースも珍しくありません。例えば、最初は足の裏の痛みを感じ、それをかばって歩き続けた結果、後に膝や股関節をひどく痛めてしまうというケースなどは多いのです。

 なので、診察の際は、丁寧な問診が重要になるのです。

■とても大事な靴の選び方

 では、どのようにすれば、足の痛みやトラブルから解放されるのでしょうか。先ほど「痛みの原因」について、いくつか説明してきました。

 要するに、原因となる「負荷」を取り除き、「活動限界値」を上げることが重要となります。

次のページ
靴選びの「3つのポイント」