
顕著なのは、鹿児島の名門、ラ・サールだ。卒業生225人に対し、69人が国公立大医学部に合格。現在、息子が同校に在籍し、PTA会長も務める医師の稲森英明さん(54)は言う。
「リーマン・ショック以降、医学部や理系人気が高まりました。以前は東大と医学部を目指す生徒が多かったのですが、文系志望者の減少にともなって東大の実績も減ったのです。また、子どもを医師にしたい家庭がラ・サールを選ぶのも影響していると思います」
稲森さんによれば、同校の生徒の9割が塾や予備校に通っていない。その分、時間を部活にあてたり、経済的負担も減るなど親のメリットも大きいという。
かつては、大学合格者数を増やすことだけに躍起になった「学校の予備校化」という言葉もあった。刻々と変化する大学入試で実績を出すヒントは、数値化できないところにある。(編集部・福井しほ)
※AERA 2019年11月4日号から抜粋
■記事の全文は発売中の「AERA 2019年11月4日号」で、早慶上理、GMARCH、関関同立などの難関私大の合格者数を含めたランキングとともに掲載。