今年は初の連続ドラマ「柴公園」の主演も務めた。柴犬を散歩させる3人の男がどうでもいい会話を楽しみながら、街の人と交流していく癒やし系ドラマで、現在公開中の映画版「柴公園」にも続いている。
「だから、俺の好きな『男はつらいよ』の寅さんみたいなシリーズになったら嬉しいですよね。ただ、昔から“目指すところ”みたいなのってないんです。好きな監督、豊田さんとか、石井(岳龍)さんのためだったらなんでもやるって思いはあるけど、主演かどうかには全然興味がない。モデルも俳優もそうだったけど、基本は受け身なので。これからもあまり決めずに、うまい具合に転がっていけたらいいかな」
(文中敬称略)
■渋川清彦(しぶかわ・きよひこ)
1974年/群馬県渋川市出身。男2人兄弟の長男として生まれる。
81年/群馬県渋川市立金島小学校入学。
87年/群馬県渋川市立金島中学校入学。
89年/祖母にドラムセットを買ってもらい、ドラムを始める。
90年/群馬県立渋川高等学校入学。ドラマーとしてZIGGY、De-LAX、ROGUE、MAGIC、ストレイ・キャッツなどのコピーバンドを掛け持ちする。
93年/東京コミュニケーションアート専門学校でドラムを学ぶ。写真家・ナン・ゴールディンに声を掛けられ、モデルを務める。
95年/サイコビリーバンド「DTKINZ」のドラマーとして活動開始。
96年/「KEE」という名でモデルデビュー。「MEN?S NON-NO」や「smart」などで活躍を始める。
98年/豊田利晃監督「ポルノスター」で映画初出演。以降「青い春」「ナイン・ソウルズ」「空中庭園」「蘇りの血」「モンスターズクラブ」「I’M FLASH!」「クローズEXPLODE」「泣き虫しょったんの奇跡」などのほぼすべての豊田監督作品に出演。
2000年/ブランド「Rotar」を立ち上げる。
01年/三池崇史監督「殺し屋1」出演。
02年/風間志織監督「火星のカノン」出演。
03年/丹野雅仁監督「カミナリ走ル夏」出演。
04年/風間志織監督「せかいのおわり」公開のタイミングでKEEという芸名から、渋川清彦に改名。
08年/事務所ディケイドに移籍。濱口竜介監督「PASSION」出演。
12年/三宅唱監督「Playback」出演。
14年/渡辺紘文監督「そして泥船はゆく」で映画初主演。
15年/大崎章監督「お盆の弟」に主演。「お盆の弟」「アレノ」で第37回ヨコハマ映画祭主演男優賞受賞。
18年/飯塚健監督「榎田貿易堂」主演。
19年/阪本順治監督の「半世界」など多数出演。連続ドラマに続き映画「柴公園」で主演。「酔うと化け物になる父がつらい」「ばるぼら」など公開待機作多数。
家族は妻と子ども1人。
■大道絵里子
フリーライター。雑誌などの取材を中心に、書籍編集にも携わる。著書に『冨永愛という生き方』(宙出版)、『花も嵐も』(竹書房)、『にゃんこのファッションブック』(朝日新聞出版)など。
※AERA 2019年7月01日号
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