朝はコーヒーに生クリームを入れて飲むだけで、何も食べません。昼と夜は仕事の状況に応じて臨機応変に食べています。

 糖質制限をしていれば、お腹が空く原因となる“血糖値の乱高下”が生じないので、朝食なしでも、お昼までお腹が空きません。

「腹が減った」の正体は、ご飯やパン、麺類、イモ類など、糖質をたくさん含むものを食べることにあるのです。

 実際、糖質制限をしている人の多くが1日2食を実践していますが、「お昼になっても不思議とお腹が空かない」という人が多いです。

「昼食の時間だから食べておくか」という程度です。
 ときには小腹が空くこともありますが、そのときはチーズやミックスナッツをつまみます。

 私の1日2食は、昼食抜きでも夕食抜きでもなく、朝食抜きです。朝食抜きの1日2食には大きな健康効果があるからです。

 たとえば、夕食を夜7時に食べたとしましょう。翌朝に朝食を食べず、正午に昼食を食べたとすると、食事をしない断食の時間は半日以上、なんと17時間にも達します。

 この間ずっと断食しているわけですから、糖質の摂取は当然ゼロです。

 17時間もの間、血糖値の乱高下がなく血糖値がずっと安定するので、血管や臓器へのダメージは皆無です。

 何より朝食を食べないと、前日の夕食から当日の昼食までの間、内臓脂肪を始めとする体脂肪がメラメラと燃焼し続けるのです。

 そもそも朝起きたばかりでまだ何も活動していないのに、すぐに食事を摂るという習慣は、人類の歴史でまずなかったと考えられます。

 午前中の活動に備えるなら、体脂肪として貯蔵されているエネルギーで十分まかなえます。
 
 朝食抜きは理にかなっているのです。

(江部康二:医師・財団法人高雄病院理事長)

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