障害者か健常者かではなく、「困っていることはないか」「自分にできることはあるか」という視点を持ちたい(GettyImages)
障害者か健常者かではなく、「困っていることはないか」「自分にできることはあるか」という視点を持ちたい(GettyImages)

 私は、日本ではまだ「障害は個性」と言える状況ではないと思っています。発達障害に関する正確な知識が浸透するだけでなく、一つとして同じ脳はないという考え方が定着することが不可欠です。近年は「ニューロダイバーシティー(脳や神経の多様性)」という概念も広がりつつあります。ぜひ、「この人は障害者か? 健常者か?」ではなく「この人は何に困っているのかな? 何か自分にできることはあるかな?」と考えてみてください。そのような眼差(まなざ)しが当たり前になった時に初めて、いま障害者と言われている人たちの脳の特性が、本当に個性として尊重される社会になったと言えるようになるでしょう。

◎小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。寄付サイト「ひとりじゃないよPJ」呼びかけ人。

AERA 2022年12月19日号

著者プロフィールを見る
小島慶子

小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

小島慶子の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
携帯トイレと簡易トイレの違いってわかる?3タイプの使い分けと購入カタログ