
■浴衣姿に似合う ガマ口ポーチ
今回のプティ・タ・プティのテキスタイル/title:レ・モンターニュ「山」
京都の山並みを表す「山」の柄は、男女、国籍も問わず幅広い層から、一度見ると惹きつけられ、いつまでも印象に残ると言われます。手にとってくださる人によって自分の故郷の山であったり、想い出に残る山として感じてくださるようです。様々な山の色の重なりは、宵山に浮かび上がる山鉾のようにも思えます。浴衣姿に似合うガマ口ポーチは、熟練の職人さんの手により、ひとつひとつ丁寧に作り続けられているものです。持ち手がパタンと裏側に折れるので、ポーチとしてバッグに忍ばせることも出来る優れものです。

■お囃子の音色と粽売りの唄声、情緒あふれる宵山へ
祇園祭のクライマックス、前祭(さきまつり)の宵々山(7月15日)、宵山(7月16日)の夜には烏丸通、室町通、新町通に屋台が並び、大勢の人で賑わいます。お囃子が流れる中、粽(ちまき)売りの子供達の口上歌が微笑ましく、いつもつい足を止めて聞き入ってしまいます。「厄除けのお守りはこれより出ます。常は出ません。今晩限り。ご信心の御方さまは、受けてお帰りなされましょう。蝋燭一丁献じられましょう」「粽どーどすえー」山鉾によって唄い方も様々です。私は毎年、その年に一番願いたいことに合わせてお参りする山鉾を選び、粽と手ぬぐいを買っています。各山鉾では御朱印も受けられるので、これを集めるのも楽しみのひとつです。そして、浴衣に合わせる帯や下駄、団扇を考えるのも楽しいひとときですね。
暑い時期の京都ですが、情緒あふれる祇園祭を味わいにいらっしゃいませんか?
(撮影/竹下さより、編集協力/江下祥子)

ナカムラユキ
京都市在住。イラストレーター、テキスタイルデザイナー。著書に『京都さくら探訪』(文藝春秋)『京都レトロ散歩』(PHP)他多数