だが、それでも公称信者数からは、その教団の勢いや新宗教界を取り巻く世相を読み解くことはできる。図(3)は信者数の推移のうち、特徴的なパターンを持つ教団を抽出した。例えば、創価学会は2005年に827万世帯と公称して以降は更新されず横ばい。片や、立正佼成会は右肩下がり、真如苑は逆に右肩上がりだ。絶対数は当てにならずとも、その教団の信者のカウント基準を押さえれば、一定の比較も可能となる。
続いて、機関紙の主張や選挙活動などから把握できる政治的な立ち位置からも、教団の特徴や互いの関係を読み解ける(図(4))。鍵を握る教団は、やはり公明党の母体である創価学会。1999年の自公連立により、リベラルな立ち位置にブレが生じ、右傾化した。
このブレは自民党とそれまでじっこんだった反創価学会の旗手、立正佼成会の立ち位置も変え、「敵の敵は味方」とばかりにリベラルに傾斜していった。この政治的転換は、両教団共に信者の離反を少なからず招いた。逆に、あえて政治に距離を置くのが真如苑。地元にゆかりのある政治家を主に応援するのが、日本唯一の宗教都市を有する天理教といった具合だ。