押切:「志麻さんにお願いして以降、料理って一旦やらなくなると、やらなくなるんだなあと」

編集:「そういうものですか。野球と同じで、素振りをしていないと、腰のキレが悪くなると同じような現象が?」

押切:「そう。料理ってやらなくなると、何の想像力もわかなくなるんです。そして志麻さんを見る。3時間であれだけのことをする。一度やらなくなると、神を見ているかのようです」

編集:「神を見るかのよう!笑 志麻さんにお願いして何年くらいですか?」

押切:「2年くらいですね」

編集:「それは、どういう経緯だったんですか?」

押切:「主人も働き、私もこの学童保育だけでなく、玉川大学、東京YMCA社会体育・保育専門学校の非常勤講師もしているものですから、とにかくてんやわんやの毎日。娘も小さいので家事代行を探していて、志麻さんがヒットしたんです」

編集:「学童の経営もやりながら、大学の講師もですか! それは大変だ。志麻さんには、週何回くらいきてもらったんですか?」

押切:「週1回、平日の夜ですね」

編集:「じゃ、そこで、1週間分の作りおきを」

押切:「そうです。3時間で10品くらいでしょうかね」

●「ごはんなんて、納豆にシラスでいいやー」の時に志麻さんと

編集:「初めて食べた時、これは美味しいなあ、と印象的なレシピはあります?」

押切:「レシピ名はわからないのですが、白身魚をバターでソテーし、白ワインの蒸したレシピが美味しかったです。娘も、あまり魚は好きではなかったのですが、これは美味しいと食べていました」

編集:「それは、どんなシーンで食べたのですか?」

押切:「実は、子どもが生まれて2年後くらいから、志麻さんにお願いしたんです。その時、身も心もボロボロ。ごはんなんて、納豆にシラスでいいやー、と投げやりになっていました。ダンナのため、子どものために尽くし続けると、ほんと、食事が粗末になる。しかも外食もしづらい。八方塞がりでした」

編集:「そこに志麻さんが突如出現した。景色はどうなるんですか?」

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