お正月に深酒したうえ、三連休もついついお酒をけっこう飲んでしまった!……という方も多い時期ですね。そんな、ついつい楽しく飲みすぎてしまった翌朝は、なんとなくカラダが重ダルい、つらいなんてことが多くなるもの。「深酒した翌朝こそ、シジミのお味噌汁!」という言葉を昔からよく耳にしますが、その言葉にウソはなく、シジミはいつでも気軽に手に入るうえ、美容にも栄養的にも優れた食材なのです! これからも新年会などでお酒を飲む機会が多いなぁ……という方は、ぜひご一読くださいね。

シジミは小粒ですが、美容にも栄養的にも優れた食材なのです!
シジミは小粒ですが、美容にも栄養的にも優れた食材なのです!

縄文時代から食べられていたシジミ

お酒を飲む人はシジミ汁を飲むとよい……ということはよく知られていますね。
事実、日本ではシジミが手に入りやすく食卓でも見慣れた存在ですが、その歴史は意外と古く、今から約1万6千年前から始まり、約1万年以上続いたとされる縄文時代の貝塚からもシジミの殻は大量に発見されていているのです。
歴史の観点からも日本人の食事になじみの深いシジミですが、シジミの栄養素のトップに挙げられるのが「オルニチン」です。アミノ酸の一種であるオルニチンは、体の中に溜まるアンモニアを肝臓で解毒するときのサポート役を果たす成分とされていて、最近CMなどでもよく耳にしますね。
肝機能をサポート
しじみといえばオルニチンというくらい有名ですね。でも、オルニチンってどんな成分で、どんな働きをしてくれるのかは意外と知られていないよう。実はこのオルニチン、肝機能の保護に役立つ遊離アミノ酸を指すのですが、もともと私たちの体内にある成分ながら、肝臓を酷使しているとその量はどんどん少なくなってしまうことに……。そうした人こそ食べ物から上手にオルニチンを摂取したいものですが、それに最も適した食材がシジミなのです。一説によると食べる前に一度シジミを冷凍すると、オルニチンの量が7~8倍に増加するそう。これは深酒をする機会が多い人ほど、冷凍庫に必須の食材にしたほうがよいかもしれません。

縄文時代の貝塚からもたくさん発見されたシジミ
縄文時代の貝塚からもたくさん発見されたシジミ

肝機能サポートだけじゃない!? 様々な効能が期待できるシジミ

シジミは二日酔いの時に食べる食材……というイメージが強いせいか、ほかの長所を意外と知られていません。では、シジミにはどんな栄養素・効能があるかというと……、
貧血予防をサポート
シジミには鉄分とビタミンB12が多く含まれています。鉄分は貧血予防にもなるため、女性にうれしい成分がシジミにたくさん含まれていることになりますし、鉄分に加えてビタミンB12は赤血球の生成を助ける働きがあるため、さらに貧血予防に高い効果を期待できることになります。
綺麗な肌作りをサポート
シジミにはたくさんのアミノ酸が含まれています。アミノ酸は体内でたんぱく質を合成するために使われるものであり、様々な種類のアミノ酸をバランスよく摂ることで、キレイな肌を作れることになります。さらに、必須アミノ酸がどれくらいバランスよく含まれているかを示す「アミノ酸スコア」という指標があるのですが、100点満点中、シジミのアミノ酸スコアは「100」という結果が出ているほど美肌作りに効果があるといわれています。

鉄分とビタミンB12が含まれるシジミには貧血予防の効果も!
鉄分とビタミンB12が含まれるシジミには貧血予防の効果も!

肝機能はもちろん、代謝アップ、睡眠不足もサポートしてくれる

肝機能と代謝をサポート
肌によく糖質、脂質、たんぱく質の代謝に必要なビタミンB2もシジミには含まれています。ビタミンB2は肝機能サポートと代謝向上の効果の期待のほか、肌のくすみやターンオーバーに働きかけてくれるといった効果も期待できます。
睡眠不足をサポート
先ほどシジミのアミノ酸スコアが「100」であることをご紹介しましたが、美肌作りのほかに、アミノ酸によって睡眠の質を上げる効果も期待できます。快眠が得られることで、日頃の睡眠不足サポートのほか、深酒や疲れを要因とする体調不良からの疲労回復、ストレス緩和といった効果も期待できます。

シジミは薬ではありません。まずは飲み過ぎから気をつけましょう!
シジミは薬ではありません。まずは飲み過ぎから気をつけましょう!

シジミの美味しい食べ方のいろいろ。〈シジミの中華風炒め〉もおすすめ

シジミに多く含まれているうまみ成分のコハク酸やグルタミン酸は味噌汁などにすると美味しい出汁になってくれます。シジミの食べ方で一般的なうえに簡単なのは、お味噌汁やシジミ汁にする食べ方ですね。この食べ方は美味しいうえに優れた栄養成分とうまみが一緒にとれて効果的ですが、それ以外にも意外と知られていない美味しい食べ方があるのです。
例えば料理としては、〈パスタに使う〉〈しぐれ煮にする〉〈クラムチャウダーにいれる〉といった活用法もありますが、なかでも簡単で美味しい食べ方をひとつご紹介しましょう。
〈シジミの中華風炒め〉
1,シジミ500gほどをしっかり砂抜きします
2,生姜(ひとかけ)、ニンニク(1〜2片)、白ネギ(半分)をみじん切りします。
3,フライパンにサラダ油を入れて、生姜、ニンニク、ネギを香りが立つ程度にサッと火を通します。
4,そこにシジミを入れてお酒(大さじ2〜3)をふって、強めの中火で蓋をします。
5,シジミが開いたら、オイスターソース(大さじ1)、しょうゆ(大さじ1)を入れます。
6,最後にゴマ油(小さじ2〜3)をふりかけて、香り付けします。
7,最後にみじん切りしておいた小ネギをふりかければ完成!
── シジミは薬膳料理にも使われるほど栄養成分が多いうえ、一年中手に入りやすく、冷凍も可能! ちょっと飲み過ぎちゃったよ〜、寝不足が続いている〜という人ほど、様々な効果が期待できるシジミを、今夜の夕食の一品に加えてみるのもよいかもしれませんね。

シジミは一年中買えるので、重宝しますね
シジミは一年中買えるので、重宝しますね