![二つスクリーンがある(撮影/写真映像部・上田泰世)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/b/2/840mw/img_b2624fafbcc00cf0b84c6b9129c0915970720.jpg)
■シンクロする本と映画
だが、選書を担当する宮迫憲彦さんは「映画関係以外のほうが取り扱いは多いです」と話す。
奥の棚には、社会科学、自然科学、小説、京都関係とオールジャンルの新刊が並ぶ。
「奥の棚も『いろいろあるな』と見てもらうと、お客さんにとっての映画の延長線上に、ここの本がシンクロすることがあります。それが本と映画がつながる瞬間だと思うんです」
一見、関連はなくても、その人の琴線に触れる本が見つかるときがあるのだ。
「出町座という人格があって、『本と映画に関してセンスがいいアイツが言うんだから間違いない』という空間になったら面白いですよね」
出町座の人格はというと、エッセーや写真集といったサブカル系は少ない。
「新書と専門書の間のようなアカデミック寄りな、文字が多めの本が好まれます。大学のにおいがします」
本をめくっていた京都市内の40代女性は言う。
「ここにくると、アートに触れたような気になります。今日はいいことしてるなって」
店から3分ほど歩くと、鴨川デルタと呼ばれる鴨川の三角州にたどり着く。これから新緑の季節だ。カフェ店長の金沢莉子さんは言う。
「サンドイッチやコーヒーをテイクアウトして、ピクニックするのもおすすめです」
(編集部・井上有紀子)
※AERA 2023年5月1-8日合併号より抜粋
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