定期預金の金利競争は激しさを増している(photo 佐藤創紀)
定期預金の金利競争は激しさを増している(photo 佐藤創紀)
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 銀行の預金金利なんて、あってないようなもの。そんな時代が長く続いてきたが、いま銀行の金利競争は激しさを増している。メガバンクも定期預金の金利が1%とする銀行が出てきた。ネット銀行では、1%を上回る金利を設定しているところもめずらしくなくなった。

【厳選チャート】ダントツの定期預金金利はこちら(8月7日現在)

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 三菱UFJ銀行は8月4日、1年物の定期預金の金利を1.0%(税引き前)に引き上げるキャンペーンを始めた。2024年3月の段階では0.002%だったが、わずか1年4カ月で金利は500倍になったことになる。仮に100万円を預けた場合、金利20円だったのが1万円になる計算だ。税金が引かれても8千円弱が得られることになる。

 ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんは言う。

「(日本銀行の)マイナス金利政策により、ネット銀行ですら高金利を提示しにくい状況が続いていました。しかし、日銀がマイナス金利政策を解除し、政策金利の引き上げを示したことで、銀行もようやく金利を上げられる環境になりました。メガバンクは長期的な経営戦略として、若年層の取り込みを狙い、比較的とっつきやすい定期預金に力を入れ始めているのだと思います」

 もっとも、金利1%といっても、「ちょっとうれしい」レベルにすぎないと坂本さんは指摘する。

「バブル期には6%もの金利がありました。今も資産を“増やす”という意味では、投資のほうが向いています」

 それでも定期預金には別の魅力がある。

「元本保証があるため、元金が減ることはありません。安全性が最大のメリットです。病気災害、または2、3年以内に使う予定の教育費など、使い道が決まっているお金の預け先として向いています。普通預金に金利0.2%で預けっぱなしにするよりも、少しでも高金利の定期預金を活用するほうがお得です」

 三菱UFJ銀行は、1年定期で1.0%だが、預け入れの上限は100万円だ。税引き前の金利は最大1万円ということになる。申し込みは9月24日までだ。

 三菱UFJ銀行以外の金融機関も定期預金に力を入れている。その一端を紹介しよう(8月7日現在。金利は税引き前)。

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