井上晴美さん提供
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 「桜っ子クラブさくら組」のメンバーとして1991年にアイドルデビューし、グラビアアイドル、タレント、女優として活躍した井上晴美さん(50)は現在、故郷の本でシングルマザーとして3人の子どもを育てながら、畑作業をして自給自足の生活を送っている。インタビューの【前編】では、2016年4月に発生した熊本地震で被災後にパニック障害を発症したこと、50歳を過ぎて更年期障害に悩まされていることなどを明かしてくれた。

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――熊本に移住してどれぐらいの月日が経ちましたか?

 移住したのは2011年ですね。ただ、熊本地震で自宅、実家が全壊した後、大阪に1年間住んでいた時期がありました。その後は熊本に戻って、今は子どもたちと生活しています。

心臓がギューッと

――熊本地震で被災されて自宅や実家が全壊した時は、言葉で言い表せない大変な思いをされたと思います。

 そうですね。すべてがリセットされてたくさんのことを失った喪失感で、苦しい時期が続きました。地震の時に台所に閉じ込められた影響かもしれませんが、大阪で電車に乗った時に過呼吸で息ができなくなって。後でパニック障害を発症したことが分かったんですけど、最初は何が起きたのか分からなかった。電車がブレーキをかけた時の「キキキキキ」という音で心臓がギューッとなってしまう。飛行機に乗った時も、出発で扉が閉まる瞬間に「終わった」と恐怖感に襲われました。いろいろな人に話を聞いてもらい、専門書を読んだことで症状が落ち着きましたけど、当時はつらかったですね。

井上晴美さん提供
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