井上晴美さん提供
井上晴美さん提供

――更年期障害を発症して、心境の変化はありましたか?

 頑張ることをやめましたね。だって、できないから。心と体がつらくてできないことは仕方ないし、無理をするとさらにつらくなる。できることだけをすればいいと思って。子どもたちが洗濯、皿洗いを率先してやってくれたので助かりました。家族や周囲のサポートを受けることで精神的にも楽になります。一人で抱え込むと、つらくなっちゃいますよね。自分に優しくいたいです。

そっとしておいたほうが

――更年期障害は、世間の理解がまだ深まっていると言えないような気がします。

 そうなんですよ。日によって症状が違うし、鬱状態になったり突然泣いてしまったり、感情のコントロールができない方もいらっしゃいます。年を重ねたら誰もがなるかもしれない症状です。学校の保健の授業などで知識として伝えてほしいです。男性でも更年期障害で悩んでいる方が増えていると聞きますし、会社で仕事をサボっていると誤解されて精神的に追い込まれることは絶対に避けないといけない。職場や世間の理解を得られる社会になってほしいです。妊婦さんがつけるマタニティーマークのように、更年期障害であることを周りに伝えるマークがあってもいいかもしれないですね。利用するかは症状に悩んでいる方の意思を尊重したうえで、例えば電車の中で涙を流している人がいて、このマークが目についたら周囲の人が気づきます。更年期障害になった方は分かると思うんですけど、過度に干渉されるとつらくなる時があるんです。私の母親もそうだったんですけど、そっとしておいたほうがいい時がある。対応が難しいかもしれないけど、驚かずに優しく見守ってほしいですね。

(聞き手・構成/平尾類)

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