
8月5日に開幕する第107回全国高校野球選手権。昨年に続いて二部制が導入され、また3回戦以降は休養日も細かく設けられるなど長丁場での大会となる。3日の抽選会で3回戦までの組み合わせが決まったが、それぞれのゾーンを勝ち抜いてベスト8に進出するチームを予想してみたいと思う。
まず2回戦から登場する高川学園、未来富山、豊橋中央、日大三のゾーン。未来富山と豊橋中央が初出場というフレッシュな顔ぶれとなり、選手では未来富山のエース、江藤蓮(3年)がドラフト候補として注目を集めているが、総合力で上回る日大三が勝ち抜くと予想した。
春まではそれほど評判は高くなかったが、この夏は伝統の強打が復活。特に上位打線は3番の本間律輝(3年)を筆頭に力のある打者が揃っている。投手もエースの近藤優樹(3年)に安定感があるのが強みだ。他の3校も江藤を筆頭に好投手が揃うが、日大三は全国でもトップクラスの投手陣を誇る東海大菅生を打ち崩したのも大きな自信となったはずだ。
続いて聖光学院、山梨学院、岡山学芸館、松商学園のゾーン。最初のゾーンとは打って変わって甲子園常連校が多く入ったが、総合力では山梨学院がリードしていると見た。
投手は左の技巧派である檜垣瑠輝斗(2年)、150キロを超える大型右腕の菰田陽生(2年)とタイプの異なる2年生が中心で、足立康祐(3年)もテンポの良い投球が光る。打線も上位から下位まで力のある打者が揃い、機動力を使えるのも強みだ。対抗は初戦で対戦する聖光学院で、何とかロースコアの展開に持ち込みたい。
尽誠学園、東大阪大柏原、健大高崎、京都国際のゾーンは昨年春の優勝校である健大高崎と昨年夏の優勝校である京都国際が初戦でいきなり対戦。初戦で最大の注目カードとなるが、今年のチームではやはり健大高崎が一枚上と予想した。
群馬大会では決勝の前橋育英戦こそ延長タイブレークの接戦となったが、それまでは全く危なげない戦いぶりで、高校ナンバーワン右腕の石垣元気(3年)も地方大会でわずか7イニングしか投げていないところにチームとしての凄みを感じる。昨年春の選抜優勝の立役者となった佐藤龍月(3年)もトミー・ジョン手術から復活し、短いイニングであれば圧倒的な投球を見せた。打線も機動力、長打力の両方を備えており、得点力は高い。京都国際のエース、西村一毅(3年)を攻略するのは簡単ではないが、この山を越えれば一気に頂点も見えてくるだろう。