中越、関東第一、神村学園、創成館、小松大谷のゾーンも実力校が多いが、投打に充実の戦力を誇る神村学園が突破すると予想した。今年は選抜出場こそ逃したものの、夏は2年連続で甲子園ベスト4に進出しており、それを経験したメンバーも多く残っている。
エースの早瀬朔(3年)は150キロに迫るスピードを誇る本格派右腕で、それ以外の投手も層が厚い。打線も1年夏から出場している今岡拓夢(3年)を筆頭に力のある打者が揃い、鹿児島大会決勝ではドラフト候補として評判だったれいめいの左腕、伊藤大晟(3年)を見事に攻略して見せた。昨年夏の準優勝校である関東第一と比べても、総合力は上という印象だ。
鳥取城北、仙台育英、開星、宮崎商、金足農、沖縄尚学、鳴門、天理のゾーンも甲子園でおなじみのチームが多く入った。どのチームが勝ち上がっても不思議はないが、選抜と夏の沖縄大会の戦いぶりから見ると沖縄尚学が最有力となりそうだ。
何より大きいのが2年生エースの末吉良丞の存在だ。沖縄大会では29回を投げて1失点、40奪三振と圧巻のピッチングを披露。スピードだけでなく変化球のレベルも高校生離れしたものがある。2番手の新垣有絃(2年)も春から大きく成長した姿を見せた。打線もチーム打率はそこまで高くないが、しぶとい打者が揃い得点力は高い。チームの目標として掲げている春夏通算30勝まであと3勝に迫っており、それを達成する可能性も高いだろう。対抗になるのは仙台育英だ。投手陣の層が厚く、野手も実力者揃いであり、3年ぶりの頂点を狙えるだけの戦力は揃っている印象だ。
横浜、敦賀気比、高知中央、綾羽、津田学園、叡明、旭川志峯、広陵のゾーンはやはり春夏連覇を目指す横浜が頭一つリードしている印象だ。神奈川大会では準々決勝の平塚学園戦、準決勝の立花学園戦と続けて苦戦を強いられたが、それでもしっかり勝ち切っており、試合終盤の強さは見事という他ない。
投手では背番号1を背負う奥村頼人(3年)の調子が少し不安定なところを前田一葵(3年)、山脇悠陽(3年)の3年生右腕二人がカバーし、来年のドラフト1位候補である織田翔希(2年)もここ一番ではさすがのピッチングを見せた。打線もリードオフマンの奥村凌大(3年)が不振でも2番以降の打者はさすがの打撃を見せている。横浜以外では春夏連続出場の敦賀気比、エースの桑山晄太朗(3年)が抜群の安定感を誇る津田学園も面白い存在だ。