
大阪・関西万博は10月13日の閉幕まで3カ月を切った。一般来場者数は、ここ最近の猛暑の影響もあり、伸び悩んでいるという。運営費収支の「黒字ライン」とされる2200万人を達成できるかに注目が集まるが、終盤の駆け込み需要があれば2500万人前後との予測もある。
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「愛・地球博(愛知万博)や各国の万博の例を見ても、最後にかけて来場者数が大きく伸びる傾向があります」
こう話すのは、日本総研・関西経済研究センター所長の藤山光雄さんだ。藤山さんは、最後の伸びがあるという前提で、最終的な来場者数を「2500万人前後」と予測した。「黒字ライン」の2200万人は超えるとの見方だ。
ここまでの大阪・関西万博の来場者数を振り返ると、4月は一般来場者数が1日5万人以下の日もあった。しかし、5月下旬からは2200万人達成に必要な「1日あたり12万人」を上回る流れになっている。『大曲の花火』が打ち上げられた6月28日(土)は18万人を超えた。会期の折り返しとなる7月12日までに、一般来場者数は累計1千万人を突破している。
7月は来場者に落ち込みも
ただ、7月に入ってからは猛暑の影響か、落ち込みが見られる。7月26日(土)は、前の週と比べて1万人減少した。
果たして、本当に来場者数は今後伸びるのか。
「愛・地球博でも、最後の半月は、来場者が1日20万人を超えました。今回も8月下旬から、前売りチケットを購入済みの人、駆け込む人が増えるでしょう。私の予測では、9月中旬から多い日は1日20万人を超えます」
つまり、閉幕する10月ごろには、現在の倍に近い来場者になるという。
「最終的には、来場者数2200万人だった愛・地球博を上回ると考えています。今回は愛・地球博より会期が3週間後ろ倒しとなっており、残暑があるとはいえ10月まで開催されることも、来場者が増えるポイントです。チケット販売枚数の損益分岐点といわれている1800万枚は、間違いなく超えると思います」