
AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:4月から服飾の専門学校に入学しました。以前、人に気を使いすぎてメンタルを病んでしまい、それ以来この人なら心を開いても大丈夫という人にだけ話しかけるようにしています。学校ではいつも1人行動をしていますが、最近、同期の女子に悪口を言われているのではという雰囲気を感じます。授業でも劣等感を覚えることがあり気持ちが落ち込んでいます。(女性/学生/21歳/かに座)
A:仮の話ですが、もしもう一度僕が10代20代をやり直すとしたら、もう少し知り合いを大事にしてもいいかもしれない、と思うんです。
僕もあなたのように、本当に打ち解けられる人しか相手にしない時期がありました。すべてを共感し合える親友以外、友達はいらない、と思っていたんです。でも後から振り返ってみると、例えば卒業後は二度と会うことがない相手でも、挨拶ぐらいするとか、もうちょっと大事にしたほうがよかったなと思うことがあります。
一緒にご飯を食べるとか飲みに行くとかじゃなくて、挨拶程度でいいんです。おはようとか、午後の授業だるいですよね、とか。
10代や20代にとって、友達や知り合いは、お金よりも大事な存在かもしれません。なぜかというと、そこが自分の安心できる居場所になるから。親には言えないこと、大人にも答えられない話とかも出てくるわけだから、それを友達同士で話したり時には悪口を言い合ったり、そういう関係は宝物です。
ただ、ご相談の文面全体から、人間関係でのダメージを受けているようにも感じました。居場所作りも含めて、人間関係をリハビリ中なのかもしれませんね。その場合、すぐに人と仲良くなろうとするのでなく、自分で感じたことをノートに書くのもおすすめです。僕も昔やっていましたが、日記や今日思ったことをノートに書き連ねていくと、そのノートが親友以上の存在になってくれます。服飾の勉強中とのことなので、自分の心の闇も含めて感じたことを言葉にしておくと、将来的にも役に立つ気がします。
最後に、僕が心に刻んでいる名言をあなたに贈りたいんですが、昔、ある飲み会で誰かが言った「悪口は順番」というもの。その時悪口を言われて悩んでいた女子に、ある友人が言いました。「悪口を言われない人なんていないし、それは順番のようなもの。気づけば次は違う人が悪口を言われているはず。すべては暇つぶしの言いがかりレベルのことだから、堂々としていればいいのよ」って。
あと、かに座はずっと人の群れに入っていることが不可能な人たちです。朝にランニングするとか、毎日2時間好きなドラマを見るとか、自分だけの時間、人間関係を浄化する時間を持つのもいいと思います。
※AERA 2025年8月4日号
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