
AERAで連載中の「この人のこの本」では、いま読んでおくべき一冊を取り上げ、そこに込めた思いや舞台裏を著者にインタビュー。
『小さな勇気 ありのままの、まちだのことば』はあまり自分のことを語ってこなかった著者、町田瑠唯さんの初の自叙伝。バスケ人生、キャプテン像、仲間たちのことなどを率直に語る。子どもの頃の写真や、バスケノートなどの写真も収録。自他ともに認める照れ屋だが、キャリアも長くなり、「何かしらの形で、自分のバスケ人生を残すのもアリなのかな」という気持ちで出版したと話す。でも「恥ずかしいから、選手たちにはあんまり見てほしくない(笑)」。町田さんに同書にかける思いを聞いた。
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日本代表として、2016年にリオ、21年東京、24年パリと、3回のオリンピックに出場し、東京大会では銀メダルを獲得。国内のWリーグでは富士通レッドウェーブに所属。昨季に続きリーグ2連覇を達成、MVPにも選ばれた町田瑠唯さん(32)。
その身長は162センチ。バスケットボール選手としては小柄だが、ひとたびコートに立つと、同じチームの選手ですら「いつパスが来るか分からない」と言うほどの巧みなパスでゲームを組み立て、司令塔として大きな存在感を発揮する。町田さんが言う。
「背が低いことをデメリットに感じたことはないです。小さいからこそ、すごく考えて工夫してきたし、だから自分のゲームメイクのスタイルが確立したんだと思います」