フジロックフェスティバル‘25、グリーンステージの様子(撮影/宇宙大使☆スター)
フジロックフェスティバル‘25、グリーンステージの様子(撮影/宇宙大使☆スター)
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 音楽イベント「フジロックフェスティバル」が2025年7月25日~27日の3日間、新潟県湯沢町の苗場スキー場で開催された。全日参加した筆者が、現地の様子をレポートする。

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 フジロックの開催は今年で28回目、そして、苗場スキー場で行われるのは26回目。これまでにボブ・ディラン、ニール・ヤング、オアシス、レッド・ホット・チリペッパーズなどロックの大物が数多く出演し、日本を代表する野外フェスとして幅広い音楽ファンに支持されてきた。

 コロナ禍の2020年は中止に追い込まれ、2021年には観客数を抑えて国内のアーティストだけで開催。ここ数年は苦難が多かったフジロックだが、今年は3日間通し券と土曜日(26日)の1日券はソールドアウト。前夜祭(7月24日)を含めて4日間で述べ122,000人を動員。コロナ禍前の2019年以来、6年ぶりの10万人超えとなり、フジロックの復活を強く印象付けた。

新時代の幕開けを告げたラインナップの妙

 3日間を通して感じたのは、音楽フェスが新しい時代に入ったという事実だ。

 まず特筆すべきは、新鮮さと斬新さにあふれたラインナップ。グリーンステージ(メインステージ)のヘッドライナー3組のうち、Fred again..(フレッド・アゲイン、25日)、Vulfpeck(ヴルフペック、28日)はともに初来日。どちらも一般的な知名度はないが、フジロックのお客さんにとっては“いいところを突いてくるね!”な絶妙すぎるブッキングだ。運営側の機材トラブルで開演時間が1時間半以上押したにもかかわらず、クラブミュージックと生演奏を融合させた演奏でオーディエンスを熱狂させたFred again..。超高度な演奏テクニックとエンタメ性に溢れたステージングで魅了したVulfpeck。この2組のパフォーマンスは、今年のフジロックの大成功/モードチェンジの象徴だったと思う。

25日のヘッドライナーをつとめた、Fred again..(撮影/Masanori Naruse)
25日のヘッドライナーをつとめた、Fred again..(撮影/Masanori Naruse)

個性あふれる初出演アーティストたち

 そのほか、アルゼンチン発のヒップホップ・デュオ、CA7RIEL & PACO AMOROSO(カトリエル&パコ・アモロソ)、ロンドン出身の女性ラッパーLITTLE SIMZ(リトル・シムズ)、オーストラリア出身のギター・ポップ・デュオRoyel Otis(ロイエル・オーティス)など、フジロック初出演のアーティストが個性を発揮。また、世界各国の気鋭のアーティストをいち早く体感することができた。

オーストラリア出身のインディー系デュオ、Royel Otis(撮影/Masanori Naruse)
オーストラリア出身のインディー系デュオ、Royel Otis(撮影/Masanori Naruse)
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