「課長」と呼ばれる男、中日・松葉がキャリアハイも狙える活躍(写真提供・日刊スポーツ)
「課長」と呼ばれる男、中日・松葉がキャリアハイも狙える活躍(写真提供・日刊スポーツ)
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 間もなくオールスターブレイクに入る今年のプロ野球。セ・リーグは阪神が頭一つ抜け出したもののAクラス争いは熾烈で、パ・リーグはまだまだ混戦が続いている。あらゆる面でシーズン前の予想とは異なる点も多いが、今回は良い面、悪い面で前半戦のサプライズとなった選手をピックアップしてみたいと思う(成績は7月15日終了時点)。

【写真】井上監督に労われる、中日の“課長”こと松葉貴大

 セ・リーグでまず名前が挙がるのが松葉貴大(中日)だ。オリックス、中日で長く先発としてプレーしており、昨年までで通算48勝をマークしているが68敗と負け越しており、キャリアハイはプロ2年目の2014年に記録した8勝。5回で降板することが多いことから「課長」という愛称で呼ばれることもある。

 しかし今年は初登板となった3月29日のDeNA戦で7回を無失点の好投で勝利投手となると、その後も安定したピッチングを続け、ここまで16試合に先発してチームトップとなる106回2/3を投げて7勝6敗、防御率2.03という見事な成績を残しているのだ。プロ入り13年目にして初のオールスターにも選出されて話題となった。このまま順調にいけばキャリアハイの更新はもちろん、二桁勝利の可能性も十分にありそうだ。

 セ・リーグの野手でブレイクしたのが2年目の泉口友汰(巨人)だ。アマチュア時代は大阪桐蔭、青山学院大、NTT西日本と強豪チームで常にショートとして活躍し、2023年のドラフト4位で入団。ただ、チームのショートには1学年下の門脇誠がいることもあって、この指名に疑問の声もあったことは確かである。ルーキーイヤーの昨年は66試合に出場したが、打率.201と目立った成績を残すことはできなかった。

 しかし今シーズンは不振の門脇に代わって開幕直後からショートの定位置をつかむとヒットを量産。ここまで75試合に出場して81安打を放ち、チームトップの打率.281をマークしている。守備面でも失策は7と極端に少ないわけではないが、度々好プレーを見せておりチームに対する貢献度は高い。他球団のショートは苦しんでいる選手が多いだけに、現時点ではベストナインの筆頭候補と言えるだろう。

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