
AERAと読者をつなぐイベント「アエラボカフェby AERA Woman」。6月21日、第2回を東京・築地の朝日新聞東京本社で開催しました。今回のテーマは「キャリアと健康」。産婦人科医の重見大介さんをゲストにお迎えし、女性たちがより良い日々を重ねていくための秘訣をお聞きしました。
【写真】産婦人科医・重見大介さんと語った「女性のキャリアと健康」
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――女性は生理や、出産、更年期障害などもあり、ベストコンディションで働ける日が男性に比べると少ないということがあります。不調の時に、どうやって医療と付き合っていけばいいのかなといつも悩ましい気持ちです。
体調不良の代表的なものは生理痛がひどいといった症状の「月経困難症」、そしてもうひとつは「更年期障害」があげられます。この2つの診断の基準は、血液検査や診察も参考になりますが、それらの症状がその人の生活に支障を与えているかどうかが重要です。ですから、生活に支障が出ていれば、その時点でどちらかの可能性があるというふうに私たち(医師)は考えています。目安としては、自覚症状があり、日常生活や仕事に何か支障が出ていたら、その時点で病名がついて治療対象である可能性が高そう、と考えて受診していただくことが大切です。
「どうせ更年期だろう」とないがしろにせず
――頭痛、めまい、肩こり、尿漏れ、不眠、イライラなど、アエラボカフェにご参加いただいたみなさんも、何かしらの症状を抱えています。忙しいから、どうせ更年期だろうからと、ついないがしろにしがちです。
更年期の不調の時こそ、いちばん注意してほしいと思っています。おかしいなと感じたら、病院で相談していただいて、検査をすることは大事なことですし、もしそこで更年期障害という診断がつけば、じゃあホルモン療法っていうのをやってみようかとか、漢方薬を使ってみようかとか、治療方法はありますから、きっと楽になると思います。
更年期障害でなくても隠れている病気がある場合があります。例えば女性の場合、甲状腺の病気も男性に比べてはるかに起こりやすく、甲状腺機能の異常があると頭痛が起きたり、貧血になりやすかったり、すごい汗をかきやすかったりするので、実は更年期の症状と紛らわしいのです。そういった意味でも、何かの病気が潜んでいるかもしれないので、1回チェックしていただくと、より現状がクリアになるかなと思いますね。
私はオンライン相談サービスの運営もやっていますが、病院に行くことにハードルが高いと感じられるようであれば、まずはオンラインで専門家に気軽に相談してみるというのもいいかもしれませんね。