
月経のつらさを職場にどう伝えるか
――診断名がついた場合、それを職場でどう伝えたらいいのか悩みます。妊娠中だと「母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)」というものがあって、例えば、つわりがひどい場合などは記入してもらい、それを提出したりすることで会社から配慮が受けられるということがありますよね。それ以外に、仕事との両立で困った時に、職場と交渉できるような橋渡しになるようなものはあるのでしょうか。
「母健連絡カード」というのは、妊娠中だけでなく産後でも使えるカードです。これは診断書の代わりになるものなので、このカードを提出されたら雇用者側もちゃんと対応するようにと法的に義務付けられています。ぜひ、産前だけでなく産後も有効活用してみてください。仮に診断がつかなくても、めまいや立ちくらみ、全身倦怠感のような症状でも、このカードが使えます。診断名がつかなくても、そのカードに、例えば「時差通勤にしてください」といったことも書いてもらえます。
――月経関連などのつらい時に利用できる制度というのはあるのでしょうか。
まず、生理休暇ですよね。これは日本の法律でも定められていますので、すべての従業員の方に権利があります。生理休暇が使いにくいので有休を使う方も多いようで、実際の請求者は1%程度で、使いやすさについては今後も議論の余地があると思います。
男性上司が女性の部下の健康問題にどう踏み込むか
最近ですと、生理休暇という呼び方があまりいいとは言えないから、「健康管理休暇」のような名称にする動きもあるようです。生理以外でも、体調の悪い時はあるでしょうし、男性だって、例えば腰痛や頭痛があったり、いろいろありますよね。このような動きは、すごくいいなと思っています。
そしてよく聞くのが、男性の上司が、女性のプライベートな健康問題について当然踏み込みにくいということです。ただし、会社としてちゃんとした適正なマネジメントをするのも必要なことですし、その人の健康状態を把握することも大事です。ただやはりプライバシーをちゃんと守ることもとても大事ですよね。女性側から客観的に何かを言っていただけないと、それ以上踏み込めない、どうしたらいいんだろうって困っている上司の方がいるのも正直なところです。ですから、母健連絡カードや診断書といった情報提供書があることは、最適な対応をしていくためにすごく大きな意味合いがあると思います。