
50代以降に気を付けたいのは「骨密度」「資質」
50代以降に気をつけたいのは「骨密度」と「脂質」です。閉経後は骨量が減少します。骨粗しょう症を予防するためにも骨密度のチェックが重要です。脂質については、コレステロールや中性脂肪値が一気に上がりやすくなります。これによって、血管などの健康状態を悪くさせてしまうことがわかっているので、この辺もチェックしてほしいですね。
定期的な健康診断を受けることで、自分自身で体の状況をトレンドとして把握することが可能になります。それから、検査をして数値を知ることで普段の生活、健康への意識が変わるかなと思います。
実際に私も去年、初めて胃の内視鏡検査をして、自分では気づいてなかったんですけど慢性の十二指腸潰瘍の痕があったと言われました。また、ピロリ菌が見つかりまして、この菌は胃がんのリスクを上げます。そこでピロリ菌の除菌をしました。検査をすることでそういったキッカケを得られるということの意味は大きいんじゃないかなと思います。
女性が元気になれば日本は明るくなる
――リスクを減らすという意味でも検査をして、きちんと治療をすることが大切ですね。最後に、なかなかベストコンディションで働けないなか仕事に家庭にと頑張っている女性たちに、重見先生からメッセージをいただけますか。
女性という性別を自身で選んで生まれてきてないのに、女性として生まれただけで妊娠、出産の準備のための月経にはじまり、妊娠、出産、そして更年期と楽とはいえない日々を過ごすことになります。それは相当キツイと思いますし、それだったらそのキツさをゼロになるべく近づけることが、社会として当然だろうと私は思っています。
真にゼロにするのは難しいかもしれませんが、みなさんのお母さんの時代と比べれば、医療も発達していますし、社会環境も変化しています。そういった意味で、ゼロに近づけやすい時代になっていると思います。適切に医療の力も借りて、さまざまな情報も活用しながら、女性の皆さんが元気な人生を歩めたら、日本はもうちょっと明るくなるんじゃないかなと思っています。
(構成/AERA編集部・三島恵美子)
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