
企業によって異なる対応も
――産業医や保健師さんらを活用する方法もあるとうかがいました。
企業の規模によって、産業医の先生がいるのか、保健師さんがいるのか、相談窓口があるのか、って若干違いますよね。上司や人事担当者が理解のない人だと、しんどいと思います。「みんなそうでしょう」とか、それで一蹴されてしまうっていうのはよくあることです。そこだとどうしようもない場合に産業医の先生や保健師さんや窓口に相談できれば、そこでまず客観的に話をできます。社内で複数人が把握していれば、その上司個人の勝手な勘違いなどで振り回されることが減っていきますから、そういった土台作りをするという意味で、産業医の先生や保健師さんに早めに相談するのも有効な手段だと思います。
――もうひとつ、身近なところでは、健康診断や社内での検診などがありますが、どのように活用していけばいいのでしょうか。
女性はライフステージで状態がどんどん変化するので、そういった意味での男性の検診とはだいぶ違う部分があると思います。
子宮頸がん検診と乳がん検診をまず受けて
まず受けていただきたいのは、子宮頸がん検診です。日本では、20歳以上は2年に1回は受けましょうっていうことが言われていて、2年に1回受けることによって死亡率も下がるとわかっていますし、費用については補助が出ますので、ぜひ受けていただきたいです。
もうひとつは乳がん検診ですね。40歳以降は2年に1回は受けることを推奨されていて、これもちゃんと受けることで死亡率が下がることがわかっています。乳がんの場合、触診だけでは意味がないってことはわかっていますので、ちゃんとマンモグラフィーは受けてほしいです。最近では、無痛MRI乳がん検診というのも登場してきています。もう少ししたら痛みのない乳がん検査というのが広がっていくのではないかと思っています。
それと、女性の場合は貧血も結構多いんです。20代から40代の約15%の女性に貧血の症状があると言われています。これも血液検査をしていただいて、ちゃんと治療することで「こんなに楽なんだ」とおっしゃる方が結構いらっしゃいます。