でも、人を恋すると、「期待と幻想」がふくらみます。ある日、Aさんが何か言ってくれるんじゃないかと思います。目がちょっと合っただけで、「あれは私を好きなサインかも」と盛り上がります。
それが恋です。「期待と幻想」がふくらまないような恋は恋ではありません。「なんとなくいいかも」ぐらいの、生ぬるい気の迷いです。
でも、どんなに期待して、幻想しても、自分から動かなければ、ほとんどの場合、何も起こりません。だからこそ、映画やアニメ、小説には、「自分は何もしてないのに、突然、白馬の王子様がやってくるだの、食パンをくわえた相手と曲がり角でぶつかるだの、突然、イケメン・美人さんが隣に引っ越してくるだの、久しぶりの幼なじみが転校してくる」なんて展開に溢れているのです。現実は、自分が何かしないと何も起こらないからこそ、物語には、「何もしなくても起こる夢」が溢れているのです。
で、360さん。ここからは、周到な作戦を展開する必要があります。「期待と幻想」にふくらんだ自分を叱りながら、作戦を練るのですから、これはかなりのテクニックとエネルギーが必要になります。
まず、ステップ1「相手と充分な情報を交換する」です。
どんなにドキドキしても、廊下で会ったらあいさつします。できれば、短い会話も交わします。「おはよう」「今日は暑いね」ぐらいでいいんです。
まず、Aさんに360さんとの会話を当たり前のことにするのです。
次が大切です。
Aさんが興味を持っているものは知っていますか? 特定のアーティスト、アニメ、映画、テレビ、スポーツなど、Aさんが好きなことを見つけ出して、(周りの友達にインタビューしたり、AさんがSNSをやっていたら、それを見て研究したりして)それに関する情報やニュース、感想を収集し、さりげにAさんに送ります。LINEですかね。
もちろん、自分もそれが好きなふりをするのですよ。
人は、自分と同じものが好きな人と話すのは好きですからね。