DeNAが獲得調査と報じられた藤浪晋太郎(日刊スポーツ)
DeNAが獲得調査と報じられた藤浪晋太郎(日刊スポーツ)
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 DeNAがマリナーズ傘下3Aタコマを自由契約となった藤浪晋太郎の獲得調査に動いていることが7月10日、スポーツニッポンで報じられた。報道によると、球団は先発候補として起用を検討しているという。藤浪は近日中に帰国予定で、本格的な交渉を進める。

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 藤浪は22年オフに阪神からポスティングシステムを利用し、メジャーに挑戦。23年はアスレチックス、オリオールズで主にリリーバーとして計64試合に登板したが、メッツと1年契約を結んだ昨年はメジャー登板なしに終わった。マリナーズとマイナー契約を結んだ今年もメジャー昇格は叶わず、6月17日に自由契約となった。

 藤浪にとって米国は憧れの舞台だったが、状況は厳しかった。マイナーで高いパフォーマンスを発揮していたとは言えず、他球団から獲得のオファーはなかったとみられる。日本球界復帰を視野に入れたが、交渉は難航すると予測する声が多かった。

「古巣の阪神は首位を独走していますが、戦力を盤石にするために右の救援投手を補強ポイントとして、メッツ傘下3Aのグラント・ハートウィグや、2010年代後半に阪神に在籍して今は四国IL高知にいるラファエル・ドリスの獲得に動いています。即戦力として計算できるとは言えない藤浪の獲得は現実的ではない。中継ぎ陣に故障者が多いオリックスは熱心に藤浪を調査していましたが、5月末に中日から金銭トレードで獲得した岩嵜翔が防御率1点台と安定した投球でセットアッパーに定着し、ぺルドモ、マチャドにつなぐ勝利の方程式を確立している。右のリリーフは山岡泰輔、古田島成龍、才木海翔もいますし、藤浪が必要かというと微妙です。藤浪の一番のネックは制球難が解消されていないことです。潜在能力の高さは誰もが認めますが、阪神でもプロ5年目以降は1軍に定着できなかった。その中で、DeNAが先発として補強に動いたのは意外に感じました」(スポーツ紙デスク)

 DeNAは昨年、レギュラーシーズン3位から短期決戦を勝ち抜き日本一に輝いたが、今年は波に乗れず、首位・阪神に9.5ゲームの大差をつけられている。先発陣は東、ジャクソン、ケイ、バウアーとエース級の強力な4本柱を擁しているが、バウアーは安定していると言えず5番手以降も固定できていない。2ケタ勝利を2度挙げた実績を持つ大貫晋一は9試合登板で2勝5敗、防御率3.11。石田裕太郎もまだまだ発展途上の投手だ。暑い夏場に向けて先発候補は1人でも多くいたほうがいい。

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