
2024年1月1日、65歳でこの世を去った山崎元さんと20年近く連れ添った妻の薫さんがメディア初登場。聞き手は楽天証券の投資メディア「トウシル」の武田成央(さだちか)さん(山崎さんと深酒する仲だった)。薫さんに山崎さんの遺産額、「家庭での山崎さん」についても語っていただいた。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025夏号」から抜粋しています】
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※本記事は後編です。前編はこちら
(山崎 薫)とりあえず山崎がずっとお世話になっていた税理士さんに連絡しました。納税者が死亡したときの準確定申告をお願いするためです。
税理士さんは「さあ相続だ」とばかりに構えているわけです。ところが、山崎が遺した資産は相続税なんて全っ然発生しない額でした。
(武田)ダイ・ウィズ・ゼロ。
(山崎 薫)いやもう本当にそれですよ。山崎の共著者、水瀬ケンイチさん(『ほったらかし投資術』全面改訂第3版/朝日新書)がSNSでコメントされていたのですが、これ。(と、薫さんがその場で見せてくれたスマホ画面にはこう書かれていた)
「山崎さんは年収3000万円がある一方で、ご自身の預貯金や運用資産はほとんどなく、そもそもDWZ(Die With Zero)を地で行っているようなものです」
お金の話は一切しなかった

(山崎 薫)山崎から毎月の生活費を渡されていましたが、そもそもいくら稼いでいるかは聞きそびれていました。
三菱UFJ銀行と楽天証券に口座があることは知っていましたが、残高がいくらあって何に投資しているかも不明でした。甘えていたんですね。
生活は普通に回っていたので、本人が言いたければ言うだろう、くらいに考えていました。
(武田)山崎さんは何に投資していましたか?
(山崎 薫)相続手続きを開始してはじめて「バンガード・トータル・ワールドストックETF(VT)」(ETF=上場投資信託)を持っていたことを知りました。
VTは私名義の口座に移管し、時価換算して相続分配しました。
このインタビューを受けることになって、このVTはいつ、いくらで買ったものかを調べようとしたのですが、移管されるとその前の持ち主のデータはなくなってしまうんですね。現在、私の口座の表示では平均取得価額「0ドル」となっています。
