「ほかの地方選挙とは重みがちがう」都議選

 その結果、衆院選では議員の顔を思い浮かべて投票するが、参院選では政党に対する素直な評価や感情をぶつける有権者が多くなるというわけだ。当然ながら参院選で与党が苦戦を強いられれば、次の衆院選で政権交代が起きるリスクは高まる。

「参院選は、世の中に政権への不満が渦巻いていたり、野党に勢いが出てきたりすると、ドカーンと議席が動くことがある」(久米氏)

 そもそも参院は解散がなく、任期6年で3年ごとに半数改選のため、いったん「ねじれ」が生じると解消しづらいという特徴を持つ。過去4回起きており、内閣は厳しい国会運営を強いられた。98年参院選後のねじれは翌年の自民、公明などの連立政権のきっかけとなり、ほかの3回のねじれも政権交代につながった。2006~12年まで、ほぼ1年に1人のペースで首相の交代があったのも、ねじれの影響が大きかった。

 今年は、12年に1度、都議選と参院選が重なる“巳年のダブル選挙”の年でもある。各党は6月22日投開票の都議選を、翌月に迫る参院選の前哨戦と位置づけ、国政選挙並みの総力をあげて挑んだ。政治アナリストの伊藤惇夫氏は、「都議選は地方選挙」と前置きしたうえで、こう解説する。

「東京は日本の人口の1割を占めており、ほかの地方選挙とは重みがちがう。特に23区は半分以上が無党派層と言われており、各党の勢いという意味では、参院選における先行指標になり得ます」

次のページ 気になる参院選の結果予測