
いま、人気のフォトスポットとしてSNSでバズっているのは、新羅時代の王族の古墳が集まる大陵苑(テルンウォン)だ。緑豊かな広大な敷地に点在する大きな古墳には新羅の王たちが眠っているとされる。「天馬塚(チョンマチョン)」からは、新羅の黄金文化を象徴する遺物が出土しており、その精巧な作りに驚かされた。

東洋最古の天文台瞻星台(チョムソンデ)にも足を延ばした。こちらも世界遺産に登録されていて、天文台とは思えない、まるでアート作品のようなフォルム。新羅の人々の科学技術の高さと、自然との調和を重んじる精神を感じさせてくれる。入口付近にあるスーベニアショップでは、瞻星台をモチーフにしたグッズたちがかわいかった。

慶州は、食やショッピングも充実している。慶尚北道の人気店「ポムントゥル」で食べた「ユッケビビンバ」は、韓国絶品グルメ30選にも選ばれた逸品で、スタッフの「もっと混ぜて!」という激が飛び交う中、いつもの10倍は混ぜてからいただいた。新鮮なユッケと彩り豊かな野菜、そしてピリ辛のコチュジャンが絶妙に絡み合い、確かに絶品。日本ではなかなか食べることのできない牛の生肉だけに、慶州に来たらこれは絶対外したくない。

大陵苑をぐるりと囲むように広がる「ファン二ダンギル」は、昔ながらの韓屋をリノベーションしたカフェやショップが立ち並ぶ、とってもおしゃれなエリア。近年、大注目のスポットで、ニューレトロな雰囲気の中に今どきの要素が利いた、歩いているだけでワクワクする場所だ。ソウルの仁寺洞の雰囲気に近い、と言えばわかってもらえるだろうか。

このファン二ダンギルでは、「新羅韓服体験」を楽しみにしていた。 色鮮やかな新羅時代の韓服に身を包み、韓屋カフェや映えすぎる街並みを背景に写真を撮り始めたら、最初は恥ずかしがっていた取材記者たちも、シャッターを押す手が止まらない……。「え!私には無理」と思ったあなたにこそ、ぜひ試してみてほしい。