脱水症状は“電解質が失われている”状態
ここ何年か、日本の夏は殺人的な暑さですよね。ニュースでは「不要不急の外出は控えるように」とか、「熱中症に十分気をつけてください」とか。それでもこんなに暑いと、熱中症で搬送される人が多いこと。部活中の中高生や、エアコンを使わずに過ごしている高齢者が熱中症で搬送されたなどと耳にします。
特に高齢者の熱中症の場合、加齢とともに体温調整機能が低下し、暑さへの感度が鈍くなり、気づいたら熱中症になっていたというケースがよくあります。
以前、タレントの所ジョージさんが夏に畑仕事をしている最中に熱中症で倒れたというニュースがあり、その後、彼は経口補水液のCMに起用されました。熱中症の際、なぜ水ではなく経口補水液を飲むのかわかりますか?
それは脱水症状を伴う熱中症だったからです。脱水症状は熱中症の代表的な症状のひとつで、頭痛、めまい、口渇、尿量の減少、けいれん、重度の疲労感などさまざまな症状が出ます。
脱水症状は、単に体内の水分が暑さによって不足するだけではありません。重要なのは電解質が失われることです。これを補うためには「経口補水液」でなければならないのです。
熱中症にも牛乳がいい
では「電解質」とはなんのことでしょうか? 聞いたことはあるけれど、きちんと理解している人は少ないと思います。ですからあえて、少し説明しますね。
「電解質」はナトリウム、カリウム、マグネシウムのことです。これらが失われると、①けいれん、②疲労感、③心拍数の異常、④血圧への影響といった症状が起こります。
さらに重症化すると、混乱、意識喪失など命の危険にさらされかねません。実際に、熱中症などで高齢者が亡くなる事故は毎年のようにあります。たかが熱中症、されど熱中症です。
そこで対策としては水分をとることなのですが、同時に電解質を補う必要があります。だからといって電解質を含む経口補水液を常備するのも大変。そんなときに便利なのが牛乳なのです。
牛乳にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムといったミネラルの一部である電解質が含まれています。そのため、体内の水分バランスを整えて脱水の予防や症状を抑える役割もあります。