
マレーシア館でドリアンアイスクリーム
ロケットの打ち上げを疑似体験できる米国パビリオンは入場まで2時間待ちの人気だった。
白亜のサウジアラビア王国館は異国情緒たっぷりな空間に魅了された。白い民族衣装を身に着けたスタッフは、「何でも聞いてください」と言い、気軽に来場者との記念撮影に応じていた。
夜、マレーシアパビリオンの見学を終えると、建物の前では民族衣装を身に着けた人たちが伝統的な舞踊のパフォーマンスを披露していた。しばらくすると、来場者に「一緒に踊ろう!」と呼びかけた。娘はこのパビリオンで購入したドリアンアイスクリームの不思議な味を堪能しながら、ステージで繰り広げられるダンスバトルに見入っていた。
(この日、見学したパビリオンなどはトルクメニスタン、バーレーン、国連、ブラジル、米国、ブルーオーシャン・ドーム、サウジアラビア、マレーシア。個人的なMVPはサウジアラビア)

「バーモントカレーがあるんだね」
知られざる万博の醍醐味のひとつは、さまざまな国の人とのコミュニケーションだろう。家族もこれが最も印象に残ったと言っていた。
たとえば、強い日差しのなか、疲れ気味の子どもたちが米国パビリオンの列に並んでいると、流ちょうな日本語で、同パビリオンのスタッフが話しかけてきた。
「どこから来たの? ぼくはバーモント州出身なんだけど、日本には『バーモントカレー』なるものがあるのを知って、びっくりしたよ」
聞くと、バーモント州は緑豊かな地域だそう。
「となりのニューヨーク州と違って、日本人にはあまりなじみがないけれど、アメリカの田舎の雰囲気を味わいたいのだったら、バーモント州はおすすめだよ」(米国パビリオンのスタッフ)
しばし、バーモントカレーの話題で妻や子どもたちと盛り上がったのはいうまでもない。
小さなパビリオンや、「コモンズ」のブースでは来場者とスタッフの距離がさらに近い。「どこの国のパビリオンが面白かったですか?」と、話しかけてきたのは中東系の顔立ちの国連パビリオンのスタッフだった。よどみのない日本語で、お互いが訪れたパビリオンの情報交換をした。
