
交流戦も5カードを終えて終盤戦。交流戦の上位6球団はすべてパ・リーグ球団が占め、セ・リーグの全球団が借金を背負って下位に低迷している(6月19日時点)。セ・リーグの中では阪神が7勝8敗で広島、中日とともにトップ。7連敗も喫したが、戦ったパ・リーグ球団の首脳や選手たちは、「セ・リーグ球団の中では阪神が別格に強かった」と証言する。
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交流戦で阪神に3連勝した球団のコーチが振り返る。
「3連勝できましたが、内容は紙一重でした。阪神打線に序盤の好機で1本出ていれば、大差で敗れていたかもしれません。対戦したセ・リーグ球団の中では別格に強かったですね。先発陣の質が高いし、野手も森下翔太、佐藤輝明、大山悠輔とバットを振れる選手がそろっている。2年前の2023年にリーグ優勝し、日本一を飾っていますが、その時より個々の能力が上がって手強くなっている感覚があります」
阪神と対戦したパ・リーグの投手もこの見方に同調する。
「DeNA打線も怖いですが、投げていて嫌らしさを感じるのは阪神打線です。機動力で揺さぶってくる選手が多く、得点を取るバリエーションが多い。4番の佐藤輝明は、少しでも甘く入るとスタンドに運ばれる怖さがある。以前は対戦していて穴が多い印象でしたが、今年は内角高めに直球を投げて意識させても、その後のボール球をきっちり見逃してくる。打ち取るのが一気に難しい打者になりました」
これらの証言はリップサービスではないだろう。実際に阪神の交流戦の滑り出しは順調だった。パ・リーグ首位の日本ハムに2勝1敗と勝ち越すと、2カード目のオリックス戦は3連勝。この時点では交流戦首位に立っていたが、西武に3試合連続逆転負けを喫すると、楽天にも3連敗。ロッテとの初戦も敗れ、3年ぶりの7連敗を喫した。ただ、その後は立て直している。ロッテとの2戦目は8-1と快勝し、3戦目も助っ人右腕のデュプランティエが来日初完投初完封勝利をマーク。3カードぶりの勝ち越しを決めた。