弔問を終え、長嶋監督の思い出を語る松井さん=日刊スポーツ

「松井監督」の下でメジャー選手もプレーしたい

 スポーツ紙記者は、「松井さんが侍ジャパンの監督に就任するメリットは計り知れない」と強調する。

「ファンの注目度はいまだかつてない高まりを見せるでしょうし、選手の招集にも大きなプラスです。侍ジャパンはメジャーでプレーしている選手たちを招集できるかが大きなポイントになりますが、米国でも名前が知られているので、『松井監督』の下でプレーしたい選手は多いでしょう。WBCのステータスを高める意味でもうってつけの人材です」

 松井さんが侍ジャパンの監督に就任したら、どのようなチームを作るか。イチローさんとドキュメンタリー番組「情熱大陸」(MBS・TBS系)で対談した際、その野球観が垣間見えた。松井さんは「今のメジャー見ているとストレスたまりません?」とデータ偏重で野球が統計学に支配化されている風潮に疑問を呈し、「打順の意味とか、そういうのがなんか薄れちゃっていますよね」と語っていた。

「松井さんはデータを否定しているわけではありません。データに縛られて個性や感性が失われていることに警鐘を鳴らしたのだと思います。目指すのは勝利を追求しながら、選手がそれぞれの個性を発揮してファンを楽しませる野球じゃないですかね。長嶋さんの哲学と重なります」(前出のスポーツ紙記者)

 松井さんが長嶋さんとどのような約束を交わし、それはいつ実現するか。答えが明かされる日が楽しみだ。

(今川秀悟)

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