田中将大(右)ら“88年世代”ももう37歳だ(写真提供・日刊スポーツ
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 プロ野球の世界では同学年にスター選手が集まると“●●世代”として紹介されることが多い。“松坂世代”や“ダルビッシュ世代”が代表例だが、近年の野球界を牽引してきたのは1988年度生まれの“88年世代”である。

【写真】「日本一地味な1億円選手」と呼ばれたのはこの選手

 高校3年夏の甲子園では斎藤佑樹(早稲田実・元日本ハム)と田中将大(駒大苫小牧・現巨人)が延長再試合の熱戦を繰り広げたことから、当初は“ハンカチ世代”とも言われたが、田中を筆頭にプロ入り後に大活躍を見せた選手も多く、“黄金世代”と呼ばれることもある。

 ただ、そんな88年世代も今年で37歳(早生まれの選手は36歳)となり、厳しい状況になっている選手が目立つようになってきた。その代表例が田中と、現在チームメイトの坂本勇人(巨人)になるだろう。

 田中は昨年オフに大幅な減俸を提示されて楽天を退団し、巨人に移籍。シーズン初登板となった4月3日の中日戦では5回を1失点にまとめて勝利投手となったが、その後の2度の登板はいずれも打ち込まれて試合を作ることができず、現在は二軍調整が続いている。かつてのようなスピードとスプリットのブレーキがなくなり、結果を残すにはスタイルを変えるなどする必要がありそうだ。

 坂本は開幕から極度の不振に苦しみ、4月15日には登録抹消。5月7日に一軍復帰を果たしたものの、その後も状態が上向くことはなく、同12日には再び二軍降格となった。主砲の岡本和真が怪我で離脱しているにもかかわらず二軍暮らしが続いているところに状態の悪さがよく表れている。近年の巨人における最大の功労者だけにいきなり引退という可能性は低いと思われるが、このまま成績が上がらなければ年俸5億円からの大幅ダウンは必至だろう。

 世代を代表している田中、坂本以外にも成績を落としている選手は多い。投手ではともにロッテでプレーしている石川歩と沢村拓一も苦しい立場となっている。

 石川は一昨年に右肩を痛めてオフには育成契約に移行。昨年6月には支配下復帰を果たして3勝をマークしたが、今年は調子が上がらずに二軍暮らしが続いている。

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