
<見つけた「武器」の一つが、カラフルな衣装で色とりどりのお菓子を食べるASMR動画だった。原宿で「哺乳瓶ソーダ」などのスイーツを開発するしなこさんがおいしそうにお菓子を食べる姿に子どもたちは夢中になった。そして2024年にはじめた音楽活動が活動の場をさらに押し広げた>
最初は音楽をやるつもりはありませんでした。歌も苦手だったし、オファーをいただいても断っていたんです。でも親友のあぃりDXから提案されて、あぃりDXとだったらいいかもと思って、やってみることにしました。
<あぃりDXさんの力を借りて、初の楽曲「しなこワールド」が生まれた。グミッツェルの咀嚼音でリズムを刻み、「正解がないことが正解」とポップに歌った曲は公開1年がたった現在、ユーチューブで3530万回再生を達成。驚異的な数字をたたき出した>
今度は自分が救いたい
原宿で出会ったあぃりDXは、私のことを一番よくわかってくれる存在。一緒にいて感じたことを題材に曲を作ってくれるんです。「歯ラ歯ラ」という楽曲は、「しなこって、歯にまつわる話多くない?」「いつも歯医者行ってるよね?」っていう会話から生まれました。高校生のときにストレスを発散するためにお菓子を食べてそのまま寝落ちする生活を続けていたら、それが原因で歯を何本か失ってしまったんです。その話を聞いたあぃりDXが、「絶対曲になる」って言ってくれて、「自分を大事にして」という思いがつまった歌詞を書いてくれました。
<今春には、日本テレビ系「ZIP!」のリポーターに就任。5月からはあぃりDXさんも所属する「竹下☆ぱらだいす」らとの全国ツアーが始まるなど、多忙を極める。そんななかでも、時間を見つけては「ベビタピ」にも顔を出す>
ファンの子に会うことが大好きなので、出勤するときはいつもわくわく楽しんでいます。カップルじゃないけど、会えない時間があるからこそ「やっと会えた」ってうれしくなる。その瞬間がすごく好き。SNSでもやりとりしてるので、「あのとき言ってたことどうなった?」って聞いたり、友達みたいなんです。SNSもリアルもどっちも不可欠な場所です。
最近は「いつか東京ドームに立ちたい」って言葉にするようにしています。もっと大きな会場で見ていただけるように、もっともっと頑張ります。でも、いつか東京ドームに立てたとしても、そのときはまた違う目標や目指す自分があるはずだから、「頂上」はないのかもしれません。
私は原宿に救われたので、今も感謝の気持ちがあるんです。次は自分がそういう存在になれたらなと思いながら活動しています。
(編集部・福井しほ)
※AERA 2025年6月16日号から抜粋
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