
いつも自分の誕生日付近で「現れる」父
さてその父、2022年の暮れに家の中で転んで肋骨(ろっこつ)を骨折して入院。それまでは元気だったのですが、急に食事が摂れなくなってしまいあっという間にこの世を去ってしまいました。でも、最後にリモート面会で「パパー! 黙ってるけど聞こえてるよね? 私たちの声聞こえてるんでしょ? 早く元気になって帰ってきてよー!」と母と4人姉妹そろって全員で大笑いしながら話しかけて。私たちは父が逝ってしまうなんてまったく考えていなくて、退院してリハビリのための施設に入る相談もしていたので、その何時間後かに病院から「危篤」の連絡が入りびっくり。今思えばそれが最後の父との会話だったのですが、奇跡的に母と4人姉妹がそろって家族みんなで父に話しかけることができたので、こういうとおかしいけれど、とても幸せな気持ちで父を見送ることになりました。みんなで「全員がそろってパパにお話ししたから、もうええかーってお空にのぼっていったのかもねー」って。
そこからがちょっと笑えるのですが、せっかちな母がさっさと霊きゅう車を呼んでしまい、霊きゅう車が病院に着いたものの、「え? もうご連絡なさったんですか? あの、まだ仏様の準備が……」と、そこでしばらく待ってもらうということに。なんだかわが家らしい(笑)。
さて、81歳でこの世を去った父ですが、たまに出てくるんですよねー。しかもだいたいいつも自分のお誕生日の頃に。これが本当に不思議で、なにかメッセージみたいなものをいちいち送ってくるんですよ。
最初は、とある展覧会に家族みんなで出かけた帰り道でのこと。電車の中で「今日撮った写真をエアドロップでおくるわー」ってiPhoneでやりとりしようとしたら、突然私たちの携帯に「武内成礼(父)のiPhone」っていう表示が現れて! それって半径3メートルぐらいのiPhoneが認識されてその中から誰に送るか選ぶのですが、突然現れた父の携帯電話にみんな仰天! 「え? どこどこ?パパ来てる?? なんでパパの携帯が出てくるのよ?……あ、今日パパの誕生日じゃん? やだもー寂しがり屋なんだから〜」って(笑)。
その日は朝から変なことがいろいろと起こり、母の携帯で急に父の好きだったクラシック音楽が鳴り始めるとか。なんなんだろうねーって話していたら、締めくくりがそれで。しかし私たち家族は「あー帰ってきたのねー」って普通に受け入れてました。